中方_(掛川市)とは? わかりやすく解説

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中方 (掛川市)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 22:40 UTC 版)

日本 > 静岡県 > 掛川市 > 中方 (掛川市)
中方
大字
中方の航空写真
(2020年6月16日撮影)
北緯34度42分43.12404秒 東経138度3分28.90667秒 / 北緯34.7119789000度 東経138.0580296306度 / 34.7119789000; 138.0580296306座標: 北緯34度42分43.12404秒 東経138度3分28.90667秒 / 北緯34.7119789000度 東経138.0580296306度 / 34.7119789000; 138.0580296306
日本
都道府県  静岡県
市町村 掛川市
人口情報(2024年11月末日[1]
 人口 680 人
 世帯数 236 世帯
設置日 1889年
郵便番号 437-1402
市外局番 0537(掛川MA
ナンバープレート 浜松
ウィキポータル 日本の町・字
ウィキポータル 静岡県
ウィキプロジェクト 日本の町・字
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中方(なかほう、英語: Nakahō)は、静岡県掛川市にある大字

地理

近江ヶ谷池の航空写真(1988年撮影)。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

静岡県掛川市の南部に位置する。合併前の旧大東町においては北東部に位置していた。円形のような形状の大字であるが、一部は静岡県道79号吉田大東線に至るまで突出している。西から中央にかけては山地が多く、山林とそれを開墾した茶畑が広がっている。東端も山林が多くみられる。北から南に向かって佐束川が流れており、その周囲には平地が形成されていることから、稲田が広がっている。南西には近江ヶ谷池が水を湛えている。

集落としては、大部分の領域が「中方」を形成しているが、北の一部の領域は隣接する大字である小貫などとともに「小貫」を構成している。集落は地縁血縁等の繋がりや歴史的経緯によって形成されるため[2]、大字とは範囲が異なっているためである。掛川市の自治区としては、集落としての中方は単独で中方区を形成しており[3]、集落としての小貫も単独で小貫区を形成している[3]。そのため、自治区としての中方区の範囲は、大字として「中方」[4]と住所表記される範囲とは異なっている。掛川市では大字別の人口と自治区別の人口を公表しているが[1]、前述の理由により大字としての中方と自治区としての中方区とでは人口に差異が生じる[1]

河川

湖沼

歴史

中方と呼ばれている地は、かつては遠江国城東郡狭束郷に属しており[5]、もともとは自然村である佐束村の一部であった。その後、佐束村は高瀬村、小貫村、中方村の3村に分割されることになり[5]寛永2年に中方村が成立した[6]。中方村は、当初は横須賀藩領であったが[6]天和2年に幕府領となり[6]元禄年間に旗本の長谷川氏領となった[6]。その後、永年に亘り幕府要職を歴任した青山忠裕が、その功績により加増されることになった。忠裕は丹後国篠山藩藩主を務めていたが、新たに加増されたのは遠く離れた遠江国の村々であった。その結果、中方村は文政10年より篠山藩領となった[6]内山真龍の『遠江国風土記伝』によれば、当時の中方村の石高は691石6斗5升2合5勺であったとされる[7][† 1]。また、宗禪寺の除地が1石[7]、全體寺の除地が9畝3歩半[7]、とされている。農業が盛んであり、米をはじめとする五穀[6]、蕎麦[6]、胡麻[6]、牛蒡[6]、蕗[6]、萵苣[6]、藍[6]、木綿などが栽培されていた[6]。用水としては主として溜池が活用されていた[6]。『角川日本地名大辞典』によれば、中方村の鎮守は大明神社とされている[6]明治元年には駿府藩領となり[6]、明治2年には静岡藩領となった[6]。この中方村が、のちの中方に該当する[5]

町村制が施行された1889年(明治22年)に高瀬村、小貫村、中方村は再び合併することになり、佐束村が設置された。その際に従来の自然村は大字とされることになり、佐束村の大字として中方が設置された[6][8]。大字である中方には佐束村役場が置かれた[8]。さらに佐束村は土方村と合併することになり、この地は1955年(昭和30年)1月より城東村の一部となった。1968年(昭和43年)4月1日、高瀬と小貫の2集落により上佐束区が、中方と岩滑の2集落により下佐束区が、それぞれ自治区として設置された[9]。さらに大浜町と城東村が合併し、1973年(昭和48年)4月よりこの地は大東町の一部となった[5]。のちに大東町が掛川市、大須賀町と合併することになり、2005年(平成17年)4月よりこの地は掛川市の一部となった。2006年(平成18年)4月より旧佐束村では各集落ごとに単独の自治区を形成することになり、高瀬区、小貫区、中方区,岩滑区の4区が発足した[9]

地名の由来

中方は、かつては「中保」[5][7]と表記されていた。内山真龍の『遠江国風土記伝』によれば、「中」は上中下の中[7]、「保」はかつての行政単位のに因んでいるという[7]

沿革

江戸時代に描かれた「遠江國」(『天保國繪圖』天保9年)。城東郡の村は薄桃色で示されており「中方村」がみえる

世帯数と人口

2024年(令和6年)11月末日現在の世帯数と人口は以下の通りである[1]

大字 世帯数 人口
中方 236世帯 680人

事業所

2021年(令和3年)現在の事業所数と従業員数は以下の通りである[10]

大字 事業所数 従業員数
中方 21事業所 297人

小・中学校の学区

公立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる[11]

番地 小学校 中学校
全域 掛川市立佐束小学校 掛川市立城東中学校

交通

道路

施設

山下工業研究所

その他

郵便

  • 郵便番号:437-1402[4](集配局:遠江大東郵便局)

警察

警察の管轄区域は以下の通りである[22]

番地 警察署 交番・駐在所
全域 掛川警察署 大東交番

消防

消防の管轄区域は以下の通りである[23]

番地 消防署・分署 消防団分団
全域 南消防署 大東第五分団

自衛隊

陸上自衛隊の管轄区域は以下の通りである[24]

番地 方面隊 師団・旅団 部隊
全域 東部方面隊 第一師団 第三十四普通科連隊

脚注

註釈

  1. ^ 今日では「遠江国風土記伝」と表記するのが一般的であるが、1900年に発行された『逺江國風圡記傳』では「逺江國風圡記傳」との表記を用いているため、同書に関する出典表記はそれに倣った。

出典

  1. ^ a b c d 令和6年11月末日現在掛川市人口・世帯数』。
  2. ^ 「農業集落」に関する補足説明資料』1頁。
  3. ^ a b 「地区・自治区・小区――大東・大須賀区域」『地区・自治区・小区 大東・大須賀区域 - 掛川市掛川市役所、2020年4月8日。
  4. ^ a b 「ナ行」『郵便番号 4371402 の検索結果 - 日本郵便日本郵便
  5. ^ a b c d e 平凡社稿「中方村」『中方村(なかほうむら)とは? 意味や使い方 - コトバンクDIGITALIO・C-POT。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s KADOKAWA稿「中方村(近世)」『解説ページ』エア。
  7. ^ a b c d e f 內山基康著述者相續人『逺江國風圡記傳』郁文舍書店、1900年、471頁。
  8. ^ a b c KADOKAWA稿「中方(近代)」『解説ページ』エア。
  9. ^ a b 佐束センター事務局「佐束地域の概要」『掛川市地域SNS「e-じゃん掛川」::佐束地区センター【公式】 - 佐束地域の概要掛川市、2011年1月22日。
  10. ^ 「経済センサス‐活動調査/令和3年経済センサス‐活動調査/事業所に関する集計――産業横断的集計――事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)」『経済センサス‐活動調査 22 静岡県 31 経営組織(2区分)、産業(中分類)別全事業所数及び男女別従業者数-市区町村、町丁・大字 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口統計センター
  11. ^ 「掛川市内小・中学校通学区一覧」『掛川市内小・中学校通学区一覧 - 掛川市掛川市役所、2024年5月1日。
  12. ^ 「佐束公民館」『佐束公民館 - 掛川市家庭の避難計画』掛川市危機管理課。
  13. ^ 「中方農業構造改善センター」『中方農業構造改善センター - 掛川市家庭の避難計画』掛川市危機管理課。
  14. ^ 「住所」『城東郵便局 (静岡県) - 日本郵政グループ日本郵政グループ
  15. ^ 掛川市消防団規則(平成17年4月1日掛川市規則第136号)別表第1。
  16. ^ 「中島歯科医院」『中島歯科医院 - 子育て総合案内サイト「かけっこ」』掛川市役所こども政策課。
  17. ^ 「ウエルシア掛川中方店」『ウエルシア掛川中方店-静岡県-掛川市-ウエルシア, ドラッグストア, 薬局, 調剤ウエルシアホールディングス
  18. ^ 「春日神社」『春日神社 - 静岡県神社庁』静岡県神社庁。
  19. ^ 「基本情報」『宗禪寺 - 曹洞禅ナビー寺院検索― 曹洞宗公式 寺院ポータルサイト曹洞宗宗務庁
  20. ^ 「会社概要」『会社案内|Ko-ken Tools the web山下工業研究所
  21. ^ 「積栄工業株式会社について」『積栄工業株式会社概要』積栄工業。
  22. ^ 「大東交番」『大東交番|静岡県警察』静岡県警察本部、2024年12月25日。
  23. ^ 掛川市消防本部編集『消防年報』令和2年版、掛川市消防本部、2021年4月、69頁。
  24. ^ 「第34普通科連隊」『陸上自衛隊 第1師団 第34普通科連隊第1師団

関連項目

外部リンク




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