中心静脈路
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/25 05:43 UTC 版)
上大静脈または下大静脈に留置するルート。これらは体内で最も太く血液量が多い静脈であり、中心静脈 (central vein; CV) と称される。高濃度の薬剤を投与することが可能であり、また血管外への逸脱を起こしにくく確実性の高い投与経路である。その特長を生かして高カロリー輸液 (TPN:Total Parenteral Nutrition) や、血管炎をきたしやすい薬剤(一部の抗がん剤など)の投与に用いられる。またカテーテルを通して中心静脈の血圧(中心静脈圧)を測定することが可能であり、体液量の増減や鬱血性心不全の程度を把握するのに役立つ。 中心静脈カテーテルは大腿静脈、内頚静脈、鎖骨下静脈などから挿入し、中心静脈に留置される。手技はやや煩雑で、合併症の危険を伴う(後述)。また、中心静脈ルートが細菌等に感染した場合、致死的な敗血症の原因となることがある。正中静脈から挿入するキット(PICC; Peripherally inserted central catheter)も存在する。
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中心静脈路
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誤穿刺 カテーテルを挿入する際に体腔に誤穿刺する。鎖骨下静脈の穿刺では気胸を生じることがある。誤挿入したまま薬液を注入して、胸腔や腹腔・後腹膜腔に薬液貯留をきたす事もある。動脈を誤穿刺したあと血腫を生じ気管や食道を圧迫して呼吸困難になることもある。通常は入れないが右房までカテーテルを挿入しカテ先が貫いて心タンポナーデになったり、洞結節などを刺激して不整脈を生じる事もある。どんなに上手な人がやっても一定の確率で合併症は起こり得る。 カテーテル切断 カテーテルを引き千切った場合、カテーテルが心臓やその他の血管内に閉塞してしまう事があり、手術や血管内治療で取り出す必要がある。中心静脈圧は正常で10 cm水柱圧あるので、またサイフォンの原理もあり、カテーテルの切断部から失血する事故も報告されている。
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