中国医学・韓医学との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 04:19 UTC 版)
「漢方医学」の記事における「中国医学・韓医学との違い」の解説
漢方医学は、気・血・水・虚実などの理論や、葛根湯などの方剤(複数の生薬の組み合わせ)を中国医学と共有し、テキストとして中国の古典医学書が用いられる。しかし両者には多くの違いがあり、特徴としては具体的・実用主義的な点が挙げられる。 現在の日本の漢方医学の主流は「古方派」である。この古方派は中国医学の根本的な理論である「陰陽五行論」を承認しなく、むしろそれを意図的に排除している。そして、日本の漢方医学には古代書物からの理論だけでは無く、「証」(症状に似た概念)を主な判断手段とし、『傷寒論』など中国の宋王朝以前の古典に出た処方を補助として診断する。証を立てることを前提としての治療法は実用性が高く、使われる生薬の種類は中国より少なく、一日分の薬用量は中国に比べて約3分の1である。また、脈診を重視し腹診がすたれた中医学とは対照的に、日本の漢方医学は腹診を重んじ脈診はあまり活用されない。 これに対して、韓医学(朝鮮半島)で使われる生薬量は中程度である。 漢方医学の処方は、『傷寒雑病論』(現在では、『傷寒論』(しょうかんろん)及び『金匱要略』(きんきようりゃく)と呼ばれる2つのテキストとして残る)を基本とした古い時代のものに、日本独自のマイナーチェンジを加えたものである。「温病」(うんびょう)など、明から清にかけて中国で確立した理論はほとんど漢方医学には受け継がれていない。
※この「中国医学・韓医学との違い」の解説は、「漢方医学」の解説の一部です。
「中国医学・韓医学との違い」を含む「漢方医学」の記事については、「漢方医学」の概要を参照ください。
- 中国医学韓医学との違いのページへのリンク