中国における家電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/11 16:24 UTC 版)
「家庭用電気機械器具」の記事における「中国における家電」の解説
第二次世界大戦後、中国の経済政策は国防力増強と重化学工業化に重点が置かれており、消費財生産が停滞し、家電産業も著しく立ち遅れていた。 テレビ技術でみると中国では1960年代には白黒テレビが生産され、1970年代初頭にはトランジスタ式カラーテレビが開発されるなど、この時点では日本や米国に大きく遅れをとってていたわけではなかった。しかし、1970年代になると日本企業では技術革新が進んで生産台数が急増したのに対し、中国では1970年代末まで白黒テレビの生産が中心で1978年時点でも中国でのカラーテレビの年間生産台数は4,000台以下だった。 中国で家電産業が発展したのは1970年代末になってからで、当時の一般家庭にみられた家電製品はラジオ、ラジカセ、扇風機などに限られ、テレビや白物家電の普及率は極めて低かった。 1972年に米中間の国交が回復すると先進諸国から工業技術の導入が始まった。1978年に改革開放路線が打ち出されるとともに重工業優先の政策が見直され、国民生活の向上に貢献できる消費財の生産への転換が図られた。その初期には衣服、食品、自転車などの軽工業が生産の中心であったが、所得増加とともに家電製品の国産化も視野に入れられるようになった。しかし、企業の生産規模は小さく品質も劣悪であった上、消費財は需要に生産が追いつかなくなったため、中国政府は家電製品など各種耐久消費財について輸入代替化を推進し、技術・設備導入と基幹部品生産外国投資の誘致を図った。 1990年代中頃までに外国企業が直接投資により中国への市場参入を試みたが、既に家電市場は供給過剰となっており、激しい投資競争は深刻なデフレを招いた。このような状況のもとで中国の有力企業が次第に台頭するようになり市場の寡占化が進んだ。
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