中国における奇門遁甲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/07 23:01 UTC 版)
中国の奇門遁甲についての文献は、隋代の著作である『五行大義』に遁甲盤の要素の解説が出てくるものの、作盤方法を含めて全体的に解説されている文献として遡ることができるのは唐代までである。刊本ではあるが唐代の兵書である『神機制敵太白陰経』の奇門遁甲と、民国年代の版に基づき校訂された『四庫全書』収録の『遁甲演義』の奇門遁甲を比較すると、その違いは時盤のみか年月日時の四盤を備えているかくらいである。従って奇門遁甲は唐代にはほぼ時盤のみであるが、現代と同じ奇門遁甲があったと推測できる。ここでは『四庫全書』に収録されている『遁甲演義』を例に、中国での奇門遁甲理解の基礎となっている文献における奇門遁甲を解説する。『遁甲演義』については『中國方術外觀式法巻上下』を底本としたが、本書は簡体字で記述されているため、日本で一般的に使用されている文字に変更した。なお、標準的な遁甲書には『奇門遁甲全書』、『奇門遁甲統宗大全』等も存在する。
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