せせつしんご【世説新語】
世説新語
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『世説新語』(せせつ しんご)とは、中国南北朝時代の南朝宋の臨川王劉義慶が編纂した、後漢末から東晋までの著名人の逸話を集めた文言小説[1]集。今日『四部叢刊』に収めるものは上中下の三巻に分けるが、テクストによってその巻数は二、三、八、十、十一等の異同がある。『隋書』「経籍志」によれば、もとは単に『世説』と称したようであるが、『宋史』「芸文志」に至ってはじめて『世説新語』の称が現れた。『世説新書』とも呼ばれる。
- 1 世説新語とは
- 2 世説新語の概要
世説新語
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/27 09:15 UTC 版)
『世説新語』にはいくつかの逸話が載せられている。 子供時代、父の酒を兄と共に盗み飲んだ。兄は拝礼をしてから飲んだが鍾会は拝礼をしなかった。それを見ていた父が「なぜ拝礼をせずに飲んだのか」と、尋ねると「そもそも盗みというものは礼から外れている事なので、拝礼をしませんでした」と答えた。 甥の荀勗の筆跡を真似て荀勗が母に預けていた高価な剣を、騙し取った。 裴楷に人物評をされたとき、「鍾士季に会うと、武器庫を見ているようだ。ただ矛や戟が並んでいるかのようだ」と言われた。 嵆康を訪ねたとき、嵆康は刀鍛冶に熱中していた。鍾会は近づいていき待っていたが、いつまで待っても声をかけてもらえなかった。立ち去ろうとしたときに「何を聞きに来たのか。何を見て去るのか」と聞かれ「聞きたい事が聞きたかったから来ただけで、見たかった事を見たので帰るだけだ」と答えた。
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世説新語
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『世説新語』には陳寔に関わるエピソードが多数収録されている。 あるとき、陳寔の息子の陳紀(元方)と陳諶(季方)兄弟の子である陳羣と陳忠が、それぞれの父の功績や徳行を論じたが、優劣を決することができなかった。そこで祖父の陳寔に意見を求めたところ、陳寔は「元方ほどの兄はいないし、季方ほどの弟もいない」といった。
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世説新語
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呉の滅亡後、西晋は天下に人材を求め、蔡洪はそれに応じて洛陽に赴いた。洛陽の人々は、蔡洪に問いていった。「(斉王司馬攸の)幕府は初めて開かれ、群公を召集し、優れた人を僻地から求め、賢俊を巌窟より采ろうとしている。しかし君は呉楚の人であり、滅んだ国の残り物でしかない。何の異才があってその学士の召集へ応じようとしているのか?」蔡洪はいった。「夜光の珠は必ずしも孟津の河から出る訳ではなく、盆握の璧は必ずしも崑崙の山から采れる訳ではない。大禹は東夷より生まれ、文王は西羌より生まれた。聖者賢者の出るところは何ぞ必ずしも普通の所であろうか?昔、武王が紂王を討伐した時、殷の遺民たちを洛陽に遷らせましたが、あなた方は彼らの末裔である可能性もあり得るのではないでしょうか?」 蔡洪が秀才に任じられた後、ある者が蔡洪に質問した。「呉の古くからの著名人はどんな方ですか?」蔡洪は答えた。「呉府君(呉展、字は士季)どのは聖王の時代の老賢者で、平和で明るい時代の俊才の如き人物です。朱永長(朱誕)どのは物の理において最上の徳を持ち、清くすぐれた人を選ぶにおいて高い信望がある人物です。厳仲弼(厳隠)どのは鳴き声が天地に響き渡る鶴や、人けのない寂しい谷間における白馬の如き人物です。顧彦先(顧栄)どのは、八音を奏でる大琴や、五色に輝く龍の紋様のような花も実もある人物です。張威伯(張暢)どのは寒中でも枯れない松や、漆黒の闇における輝く光の如き人物です。陸士龍(陸雲)どのは鴻鵠のような舞い回る大鳥や、大音を出す懸鼓を今にでも打ち鳴らそうとしている槌の如き人物です。これらの人物は、広筆をもって畑を耕す鋤鍬と見なし、紙札をもって豊かに耕した良田と見なします。沈黙をもって種まきや収穫と見なし、義理をもって稲の豊作の年と見なします。談論をもってすぐれた才能や名誉と見なし、真心をもって珍しいお宝と見なします。文章をもって美しい衣服と見なし、五経を積みたくわえて絹のたすきと見なします。謙虚をむしろの敷物として座し、義譲を張って帳幕と見なします。仁義を行いて佇まう室と見なし、道徳を修めて広い邸宅と見なします。」
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