世界最古の生物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/01/25 14:43 UTC 版)
「ハロシンプレックス・カールスバデンス」の記事における「世界最古の生物」の解説
ハロシンプレックス・カールスバデンスが発見されたのが約2億5000万年前の岩塩の中であり、養分を含む液体に浸した際に増殖を行うことから、芽胞と呼ばれる状態で休眠していたと考えられている。ハロシンプレックス・カールスバデンス以前の記録は、琥珀に閉じ込められたハチの化石の体内から1995年に発見された、真正細菌の Bacillus sphaericus であり、その年代は2500万年前から3000万年前である。これと比較すれば、ハロシンプレックス・カールスバデンスは大幅に記録を更新した事になる。 岩塩のサンプルは、外部からのコンタミネーションを防ぐため、予め結晶の表面を強塩基と酸を用いて殺菌処理した。また、岩塩の結晶は一次結晶であり、結晶の割れ目からより若い年代の生物が混入した可能性も否定した。このために、ハロシンプレックス・カールスバデンスが外部由来、すなわち現代の古細菌である可能性は10億分の1程度と研究チームは主張している。これは論文が掲載されたネイチャーにおいても説明されている。しかし、他の独立した専門家は、追試によって発見を再現することに成功していない。そのため、この発見を疑問視する意見も存在しており、議論の決着はついていない。他の研究チームでも再現されている、より確実な岩塩中の生物の記録は3万4000年前である。 仮にハロシンプレックス・カールスバデンスが数億年休眠状態を維持できるという説が正しい場合、例えば休眠状態にある生物を含む物質が地球外に放り出された場合、数億年単位の時間を経て他の天体、例えば火星のような天体に降りて復活する可能性もある。これはいわゆるパンスペルミア説が存在する可能性を支持する研究成果の1つである。
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