世界における乳糖持続表現型の分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/08 22:48 UTC 版)
「ラクターゼ活性持続症」の記事における「世界における乳糖持続表現型の分布」の解説
人類もすべての哺乳類と同じく、授乳期には自らの種であるヒトの乳汁を摂取し、そして離乳後に野生動物の乳汁を摂取することは困難であり、他の種の乳汁を広く飲むようになった起源は家畜の利用以後、5500年から6100年前のブリテン島の陶器から乳脂肪が見つかっており、この時期には利用されたと考えられる。人類の遺伝的祖先が発生した以降、進化の尺度で見ると比較的最近であり人類における遺伝子型は均一ではない。 成人になっても乳糖を消化するラクターゼ活性持続の表現型の分布は世界的に均一ではない。またラクターゼ活性持続症の割合は変化しやすい。欧州でのラクターゼ活性持続の表現型の分布は連続的であり、北西では89-96%、南東では15-54%である。この表現型はアイルランド人の100%とフィンランド人とハンガリー人の80%がこのラクターゼ活性持続型だと推測され、一方、ギリシャ人の17%、サルディーニャ人の14%だけであると推測される。 このラクターゼ活性持続の表現型の割合が高い地域は、サハラ以南のアフリカや中東の一部の地域でも見られる。しかし、多くの地域で最も一般的にみられる割合は、中間的な(11-32%)中央アジア、低の(5%未満)アメリカ先住民や東アジア、中国人の大半や、アフリカ人の一部の集団である。 アフリカでの分布はまばらであり、ラクターゼ活性持続の表現型の分布の研究を困難にする。フラニ族やベドウィン族のような牧畜を行ってきた集団では多く分布する。
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