下廊下
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 05:33 UTC 版)
「水平歩道」および「日電歩道」も参照 「下ノ廊下」または「下の廊下」とも表記される。黒部峡谷の中でも心臓部に当たる区間で、花崗岩の岩壁の間に激流が流れ、下流からS字峡、十字峡、白竜峡などの景勝地がある。S字峡はSの字のごとく、両側に岩壁が複雑に入り組み、激流が左右にぶつかり、飛沫を上げることから名付けられている。十字峡は原始林に覆われ、岩壁を割って左岸から剱沢、右岸から棒小屋沢がほぼ同じ場所に合流し、黒部川本流と合わせて十字を形作っている地点である。白竜峡は花崗岩が白壁をなす岩壁が連続する秘境となっている。 欅平から仙人谷までは水平歩道が、その上流では日電歩道が黒部ダムまで続いていて、上級者向けの登山道として利用されているが、峡谷に残る残雪が初夏になって消えてから道の整備が始まること、また11月に入ると凍結や積雪が始まることから、このコースを通行できるのはその間の1 - 2か月に限られる。また、川面から数十~百メートルほどの高さを谷の絶壁に沿って通された幅員狭小の区間が長く続く難易度の高いコースであり、2019年には10月だけで5人が転落死するなど事故が絶えない。富山県が公表している山のグレーディングでは、欅平から黒部ダムまでのルートの体力度は「9」(2 - 3泊以上が適当)、技術的難易度は最高レベルの「E」(緊張を強いられる厳しい岩稜の登下降や転滑落の危険個所が連続する)とされている。最も賑わうのは紅葉が美しい10月である。ルート途中にある山小屋「阿曽原温泉小屋」は、雪の重みによる倒壊を避けるため、冬季は解体して部材をトンネルに収納する。 十字峡 白竜峡 下廊下登山道の一区間
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