三管の説明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 04:28 UTC 版)
三管については次のような説明がなされる。 「天から差し込む光」を表す笙(しょう、天の音)。 「天と地の間を縦横無尽に駆け巡る龍」を表す龍笛(りゅうてき、空の音。横笛(おうてき))。 「地上にこだまする人々の声」を表す篳篥(ひちりき、地の音)。 この3つの管楽器をあわせて「三管」と呼ぶ。合奏することで、宇宙を創ることができると考えられていた。 合奏時の主な役割は、主旋律を篳篥が担当する。篳篥は音程が不安定な楽器で、同じ指のポジションで長2度くらいの差は唇の締め方で変わる。演奏者は、本来の音程より少し下から探るように演奏を始めるため、その独特な雰囲気が醸しだされる。また、その特徴を生かして、「塩梅(あんばい)」といわれる、いわゆるこぶしのような装飾的な演奏法が行われる。 龍笛は篳篥が出ない音をカバーしたりして、旋律をより豊かにする。 笙は独特の神々しい音色で楽曲を引き締める役割もあるが、篳篥や龍笛の演奏者にとっては、息継ぎのタイミングを示したり、テンポを決めたりといった役割もある。笙は日本の音楽の中では珍しく和声(ハーモニー)を醸成する楽器であり、その和声は雅楽用語で合竹という。基本的には6つの音(左手の親指、人差し指、中指、薬指と右手の親指と人差し指を使用)から構成され、4度と5度音程を組み合わせた20世紀以降の西欧音楽に使用されるような複雑なものであるが、調律法が平均律ではないので不協和音というより、むしろ澄んだ音色に聞こえる。クロード・ドビュッシーの和音は笙の影響がみられるという説もある。
※この「三管の説明」の解説は、「雅楽」の解説の一部です。
「三管の説明」を含む「雅楽」の記事については、「雅楽」の概要を参照ください。
- 三管の説明のページへのリンク