一葉の手帳とは? わかりやすく解説

一葉の手帳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/23 04:27 UTC 版)

樋口一葉」の記事における「一葉の手帳」の解説

一葉残した手記として日記の他に作品下書き調査メモなどを記した手帳2冊がある。この手帳はともに個人で、1冊は『別れ霜』の下書きなどが記されたもの、もう1冊が『うもれ木』の調査メモ記されたもの。 前者洋綴じ横罫ノートで、寸法は縦19.2センチメートル、横12.7センチメートル。9頁目までは鉛筆書きによる、平安時代の『土佐日記』の写しで、承平4年934年2月26条から翌承平5年1月4日までの部分写されている。10頁目からは墨筆で『吹くる風』と題され小説断片記されている。これは内容から1892年明治25年3月31日から同年4月17日にかけて、一葉が「浅香のぬま子」の筆名改進新聞発表した別れ霜』の未定稿にあたると考えられている。筑摩書房一葉全集』では一部翻刻されている。 後者は『うもれ木』の調査メモ記され手帳で、近年原本発見された。表紙和紙小型手帳で、寸法は縦9センチメートル、横6センチメートル一葉1892年11月に『都之花』第95号から3回連載で『うもれ木』を発表しているが、手帳内容は、鉛筆作中登場する薩摩陶器歴史製法記され調査メモ主体となっている。なお「うもれ木」には、この手帳のほか未定稿現存している。ほか、半井桃水から借りた朝鮮文学『九雲夢』の主人公主題とした一葉自作漢詩や、上野東図書館読んだ『新著聞集』読書メモ記されている。

※この「一葉の手帳」の解説は、「樋口一葉」の解説の一部です。
「一葉の手帳」を含む「樋口一葉」の記事については、「樋口一葉」の概要を参照ください。

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