一般的プロトコルスイートについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/25 15:22 UTC 版)
「プロトコルスタック」の記事における「一般的プロトコルスイートについて」の解説
T ~ ~ ~ T [A] [B]_____[C] A、B、C という3台のコンピュータがあり、AとBは無線で接続され、IEEE 802.11などの適当な通信プロトコルで通信を行うとする。一方、BとCはケーブルで繋がれ、適当なプロトコルでデータを交換する。しかし、それぞれに使われている通信プロトコルは、それぞれメディア(媒体)に固有であって、AからCへ通信を行う機能を持たない。このためネットワーク間を繋ぐプロトコルが必要となった。 このケーブルと無線の両方を扱うプロトコルを新たに開発するという考え方もあったが、その場合、新たなネットワーク媒体が登場するたびに、それに対応していく必要が生じる。従って、基本のプロトコルはそのままとしておき、それらの上に新たなプロトコルが動作するよう設計する方が容易である(インターネットのプロトコルがその例である)。その場合、各ネットワークで2層のプロトコルスタックができることになる。ネットワーク間プロトコルはベースとなるプロトコルと簡単な言語でやり取りし、ベースとなっているプロトコル同士が直接やり取りすることはない。 A から C にあるデータを送るとき、まず上位プロトコルに要求が送られる。A の上位プロトコル層は C へは B を経由して到達できることを知っているので、無線プロトコルに対して B にデータパケットの送信を指示する。A の下位層は渡されたパケットに自身の通信に必要な情報を付与して B にパケットを送る。B はパケットを上位層に渡し、上位層はパケットの情報から最終あて先が C であることを知る。B の上位層はケーブルのプロトコルを使って C にパケットを転送する。受信したパケットは再び上位層に渡され、あて先が自分であることから C の上位層はさらに上位の層(おそらくアプリケーション)にパケット内のデータを渡す。一般に、実際のプロトコルスタックはこれよりも多層化されている。 プロトコルスタックの例を以下に示す: + - - - - - - - - - - + + - - - - - - - - - - +| HTTP | | アプリケーション層 |+ - - - - - - - - - - + + - - - - - - - - - - +| TCP | | トランスポート層 |+ - - - - - - - - - - + + - - - - - - - - - - +| IP | | ネットワーク層 |+ - - - - - - - - - - + + - - - - - - - - - - +| Ethernet | | リンク層 |+ - - - - - - - - - - + + - - - - - - - - - - +| RJ45/CAT5 | | 物理層 |+ - - - - - - - - - - + + - - - - - - - - - - +
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