一般均衡理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/03 19:18 UTC 版)
彼の最大の著作である『純粋経済学要論』(Eléments d'économie politique pure, ou théorie de la richesse sociale)は1874年に上巻が、1877年に下巻が出版された。この著作によってワルラスは、一般均衡理論の父と考えられている。ワルラスはその経済学大系(l'économie politique et sociale)を、三分する。それは三層に分かれる。現実の本質的な部分を抽出して再構成した(真理を示す)理論経済学を土台として、その論理的成果を利用して人々の経済的厚生を高める(効用を問題とする)応用経済学、更には人と人の関係を問題とする(正義に関わる)社会経済学である。特に理論経済学の最大の目的は、自由競争が適用されるべき範囲を画定することだと言ってもよい。当時のセーの流れを汲む正統派経済学者たち(同時に教条的自由放任主義者と言ってもよい)が、根拠を示すことなく、あらゆる側面で自由放任主義を唱えることを強く批判している。そこでワルラスが考える完全競争ではすべての市場で需給を一致させる競争均衡価格が実現する。 ワルラスの一般均衡理論は、ローザンヌ大学時代の弟子であるヴィルフレート・パレートを中心とするグループ(ローザンヌ学派)によって継承され、よく知られるようになった。後にワシリー・レオンチェフによって実際の経済に適用する道が開かれた。 ジョン・メイナード・ケインズはワルラスの一般均衡理論で想定されている経済が現実の市場と大きく乖離していることを強く批判し、ワルラス流の価格決定モデルは非現実的であると述べた。この批判は、ワルラス自身の方法論からいえば、それは問題が違う、ということになる。他方、「新しい古典派」の理論家たちはケインズを異端と見なし、ワルラスの一般均衡理論を再評価する。
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