一般の分数概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 22:35 UTC 版)
分数は自然数だけではなく、整数全体や実数、複素数などを用いても定義される。除法としての意味からも分かるように分母が 0 の分数には対応する数がない。しかし、(微分などにおいて)極限を取り扱う場合などに便宜上、分母が限りなく 0 に近づく分数を使うことがある。それらの分数は数として計算に使われるわけではなく、あくまで説明用に便宜的に表現されただけのものであることが多く、その表現がどういう意味で用いられているのかは前後の文脈から判断する必要がある。フランスの数学者、アンリ・ポアンカレは「分数とは横線によって画された2つの整数の集合であって、この記号によって施すことができる演算を規約によって定義する」と説明している。 分母、分子ともに整数であるような分数として表せる数を有理数というが、分子・分母が数式(関数)であるような分数を分数式(分数関数)といい、特に多項式の商として表される分数式を有理式とよぶ。分数式まで視野に入れると、何かに占める割合といった分数の意味は薄れるが、それは商(除法)の概念がそうであるのと同様である。 積演算が非可換である場合、除法が左右で区別されるように分数も割る方向の左右で区別される。
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