ヴィーガニズムへの移行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 02:18 UTC 版)
「ヴィーガニズム」の記事における「ヴィーガニズムへの移行」の解説
健康への影響からではなくむしろ道徳的側面から菜食主義を実践してきた者たちは、動物の利用を完全にやめようと議論しはじめた。全米ベジタリアン協会の1851年の会誌には皮革に代わる靴の素材についての議論が掲載された。 1886年、イングランドの運動家ヘンリー・ソルト(英語版)が執筆した A Plea for Vegetarianism (菜食主義の請願)が出版され、道徳上、菜食主義は必須だと説いた。のちにソルトは動物福祉から動物の権利へパラダイム・シフトした最初の一人として知られるようになった。彼の著作はマハトマ・ガンジーにも影響を与え、二人は親しくなった。1910年には、英国史上初のヴィーガン向け料理本となるNo Animal Food: Two Essays and 100 Recipes(Rupert H. Wheldon著)が出版された。歴史学者のリア・レネンマン (Leah Leneman、1944-1999) は、1901年から1912年の間、協会の大多数が卵や乳製品に対する見解を同じくしていたと記している。当時のある会員は「殺す必要のある雄鶏が数羽いなければ卵は手に入りません」と述べている。協会内での見解は統一されないままだったが、1923年の会誌に「動物製品を断つことは菜食主義者として理想的な立場である」という内容の記事が掲載された。 1931年11月には、ロンドンでベジタリアン協会の会議が開催され、ソルトを含む会員約500人が参加し、マハトマ・ガンジーが The Moral Basis of Vegetarianism (菜食主義の道徳的基礎)という題で、健康のためだけではなく、道徳の問題として肉のない食事を勧めるのが、協会の使命であることを語った。ガンジーはロンドン留学当時のベジタリアンが食と病のことばかりを話題にしていたとし、次のように語った。 .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}「健康上の理由から菜食を実践することは、一番ひどい方法です。病苦など、つまり単純に健康上の理由から菜食主義を実践する人の多くはこの食習慣から退却することにわたしは気づきました。菜食主義を貫くには、道徳的な基礎が必要なのです。」と宣う医者であった。
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