ロープトゥ・リフト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 05:53 UTC 版)
ロープトゥ・リフトは上部と下部に折返装置(プーリー、ブルホイールとも言う)と、折返装置を通るロープまたはケーブルで構成され、折返装置の一方には動力源として、通常はモーターが取り付けられている。なお、上記の歴史上から、自動車のエンジンを動力源として使うものもある。 最も単純、かつ旧式の物はロープが用いられ、利用客はロープに直接掴まってスキーやスノーボードに立った状態で斜面上を滑り上がる方式が取られていて、古くから営業している小規模なスキー場においては現在も現役で使われている所がある。このロープトゥ・リフトの形式では、上り側のロープは掴まるまで雪上をはわせるのに対し、下り側は滑車で吊している点がバー付きケーブルタイプの物と違っている。 上記の輸送方式の欠点として、使用するロープに雪氷が付着している場合、手袋の種類(主に革手袋)によってはロープが滑って掴まりにくくなり、握力の弱い子どもなどは上るのが困難または不可能となる事や、同様の理由で急斜面では運用出来ないことが挙げられ、現在は主に初心者向けの緩斜面に設置されるケースが多い。逆に長所としては、自分のタイミングでロープに掴まるだけでいいので、後述のバー付きケーブルタイプロープトゥ・リフトに乗るのが困難な初心者には扱いやすく移動しやすいという点がある。 その後、プラスチック製または金属製の支持具(バー)がケーブルに取り付けられたタイプが登場し、海外ではハンドルトゥ(または「ポニーリフト」)とも呼ばれる物が出来た。これらのバーはロープ単独よりも掴まりやすく、慣れた利用客だとバーを背中や腰にあてがうなどする乗車方法によって、より移動しやすくなった。それゆえに、次第にバー付きケーブルタイプのロープトゥ・リフトに置き換えられている。 バー付きケーブルタイプの場合、バーを背中にあてがう目的用に、バー前方のケーブルに握り玉が取り付けられていて、乗る時に握り玉を掴みつつ、その間にバーを背中にあてがう。握り玉はバーをあてがうのが難しい初心者が掴まるのに使われる事がある。また、バーを取り付けずに握り玉やその他の掴まるための支持具のみを取り付けているケースもある。 バー付きケーブルタイプのロープトゥ・リフトはその構造上から、背中や腰にあてがって乗車する際は極端でなければ比較的急斜面でも身体の支持が容易なため、ロープのみのタイプよりも急な斜面で運用される事がある。
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