ロケットの誘導
決められたコースを飛ぶには、正確な「誘導」と「制御」が不可欠
「誘導」(ゆうどう)とは、決められたコースやスケジュールに、飛行中のロケットを従わせることです。また、そのためのいろいろな操作を「制御」(せいぎょ)といいます。人工衛星を打ち上げ、目的の軌道にのせるためには、ロケットの方向や速さをつねに正確に誘導し、制御しながら計画通りのコースにそって飛行させなければなりません。これを「ロケットの誘導制御」といい、ロケットが正確に飛ぶためには、この作業が必要不可欠です。
電波誘導、慣性誘導など、いろいろなロケット誘導方式
ロケットの誘導には、「プログラム誘導」「電波誘導」「慣性誘導」の3つの方式があります。
あらかじめコースを記憶させておく「プログラム誘導」
ロケットが決められたコースを飛ぶように、あらかじめ記憶させておき、タイマーなどにより順次決められた通りに制御信号を出して誘導していく方式です。ただし、これだけでは飛行中に強風などの影響を受けた場合に生じるコースからのズレを修正することができません。
地上からレーダーなどで飛行コースを誘導
「電波誘導」とは、地上からレーダーなどによってロケットの飛行コースを測定し、予定のコースからずれた場合、それを計算して、修正するための電波指令をロケットに送る方式です。この方式は、地上でロケットの飛行を見守ることができますが、誘導の精度が悪く、地上から見える範囲でしか誘導できないという難点があります。
ロケットに積んだジャイロ・加速度計をもとにコースを修正
「慣性誘導」とは、ロケットの中に積んだ「ジャイロ」でロケットの姿勢を測定し、また「加速度計」からのデータで速度と位置を計算し、計算機にあらかじめ記憶させている予定のコースと比較して、自動的に正常なコースに修正する方式です。慣性の法則にもとづいて加速度の測定をおこなっているので、「慣性誘導方式」と呼ばれています。プログラム誘導や電波誘導とはちがって、高精度で誘導できるため、現在多くのロケットで使用されています。
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