ロケットの打ち上げ工程
打ち上げ前のカウントダウンは発射3日前にスタート
ロケットには誘導制御システムが搭載されているので、自分で位置や姿勢がわかりますが、衛星は切り離された後の位置や姿勢を地球センサーや太陽センサーで計測するため、地球の夜側でロケットから分離することはできません。
発射可能な時間帯は季節や投入軌道によって異なり、分単位まで計算されますが、意外と短く、1日のうち30分から2時間程度です。これを逃すとその日の打ち上げは中止せざるをえなくなります。
1996年8月に打ち上げられたH-IIロケット4号機を例にとると、カウントダウンは打ち上げの3日前から始まり、その日その日に割り当てられた作業を着実にこなしていき、いよいよ発射の約7分前から秒読みが開始されます。
打ち上げ前夜のH-IIロケット4号機(1996年8月16日)
ロケットの発射から衛星の切り離しまで1,664秒
打上げは、第1段ロケットがリフトオフの6秒前に点火します。リフトオフと同時に固体ロケットブースタ(SRB-A)を点火します。すさまじい轟音(ごうおん)を発しながら、ロケットは全推力が自重を超えた瞬間に射座を離脱します。
SRB-Aは100秒間の燃焼の後、105秒後に分離します。220秒後に衛星フェアリングが分離されます。第1段ロケットは389秒後に燃焼が停止し、399秒後に分離します。405秒後に第2段ロケットの第1回点火がおこなわれます。1,421秒後に第2段ロケットの2回目の点火がおこなわれ、1,664秒後、衛星が分離され、静止トランスファ軌道に投入されます。
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