レコーディングと配置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 14:44 UTC 版)
「ハー・マジェスティ」の記事における「レコーディングと配置」の解説
「ハー・マジェスティ」は、1969年7月2日にEMIスタジオのスタジオ2で、「ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウェイト」に先だってレコーディングされた。8トラック・レコーダーのトラック1にアコースティック・ギター、トラック8にボーカルが録音された。3テイクで録音されており、いずれも完奏しているが、テイク2のみ演奏し直している。 本作は当初、『アビイ・ロード』のB面の特徴となっているメドレー「ザ・ロング・ワン」の「ミーン・ミスター・マスタード」と「ポリシーン・パン」の間に位置していた。7月30日に「ザ・ロング・ワン」に含まれる楽曲のレコーディングが完了したため、曲順を決めるための仮編集が行われ、本作もミックスが行われた。本作は「ミーン・ミスター・マスタード」の最後のコードが鳴った後、ギターとボーカルは右側で流れ、それがだんだんと左寄りになり、曲の終わりには完全に左側に寄り、「ポリシーン・パン」に移行するという構成になっていた。しかし、メンバー内で考えが変わったため、「ハー・マジェスティ」はメドレーから外れることとなった。これにより、「ポリシーン・パン」への移行の関係から、「ミーン・ミスター・マスタード」の最後のコードが取り除かれた。 メンバーはエンジニアに対して本作をメドレーから外し、マスターテープを破棄するように伝えていたが、EMIの「ビートルズが録音したものは何でも残しておくこと」のポリシーにより、とりあえずの形でテープの後ろに貼り付けられた。翌日、メドレーのテスト・レコードがカッティングされ、最後に突如始まる「ハー・マジェスティ」を聴いたメンバーは、このまま残すことに決めた。1969年9月のラジオ・ルクセンブルク(英語版)のインタビューで、レノンは「最後にジョークかサプライズを持ってくるのが好きなんだ。『サージェント・ペパー』のエンディングみたいにね。これもあの手のやつの一つ」と語っている。なお、本作はメドレーの仮編集時にミックスされて以降、新たなミックスは作成されておらず、マッカートニーは「あれはほぼ成り行きのもの。実際のところ、僕らの活動全体がそんな感じだったから、それに相応しい結末だった」と語っている。 本作は発売当初は隠しトラックの扱いを受けていたが、1987年のCD化以降は曲目に追加された。
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