リモコンの発明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/22 09:47 UTC 版)
「ロバート・アドラー」の記事における「リモコンの発明」の解説
アドラーが最も有名なのはテレビ用の無線リモコンの発明についてである。それは世界初のリモコンというわけではなかったが、基礎にあるテクノロジーはそれ以前のリモコンに対する大幅な進歩であった。 ゼニスに勤める別のエンジニアのユージン・ポーリー (Eugene Polley) が発明した「フラッシュマティック」リモコンが世界初の無線リモコンであり、それ以前の(決して成功しなかった)信号線付きリモコン装置を置き換えた。フラッシュマティックは送信機に指向性の懐中電灯を用い、受信機に光電管を備えていた。この方式には欠点があり、もし受信機に何かの事情で太陽光が直接当たると、保護回路がないため、リモコンの機能が誤動作する恐れがあった。このため、ゼニスのエンジニアたちは設計のやり直しをすることになった。 電波を利用するというアイデアも議論されたが、電波は壁を越えて伝わるので、別の部屋にある受像機のチャンネルをうっかり変えてしまうなどの可能性が考えられ、すぐに却下された。さらに、ゼニスの営業担当者は電池を必要としないリモコンを要求した。当時は、リモコンの電池が切れたら顧客は受像機自体が壊れたと思ってしまうだろうと考えられていた。 これがアドラーのリモコンが登場した背景である。彼のアイデアは受像機との通信に光ではなく音を使うというものであった。彼が開発した初のリモコンである「スペース・コマンド」は、アルミニウムの棒を持っていた。各機能のボタンを押すとその棒が打たれ、ボタンに応じた高い周波数の音を発し、受信機がそれを解釈する、という仕組みだった。 1960年代にアドラーはこれを超音波を用いるように変更した。この技術は以降25年間に製造された受像機で使われ続けた。
※この「リモコンの発明」の解説は、「ロバート・アドラー」の解説の一部です。
「リモコンの発明」を含む「ロバート・アドラー」の記事については、「ロバート・アドラー」の概要を参照ください。
- リモコンの発明のページへのリンク