リメイクとリブート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 02:56 UTC 版)
「スラッシャー映画」の記事における「リメイクとリブート」の解説
1990年代の『スクリーム』にインスパイアされたスラッシャー映画の人気が衰える一方、『悪魔のいけにえ』のリメイク『テキサス・チェーンソー』(2003)は、一般人の1974年のオリジナルへの親しみを再現しつつも最新のスリルとサスペンスを約束したことで予想外の大ヒットとなった。 ガス・ヴァン・サントの『サイコ』(1998)と同様に、『テキサス・チェーンソー』は商業的魅力を最大にするために、オリジナルの映画の物議を醸した側面を薄めている。『テキサス・チェーンソー』は北米で1350万枚以上のチケットを販売しており、その続編『テキサス・チェーンソー ビギニング』(2006)は収益の減少に見舞われたものの、600万枚とまずまずの数のチケットを販売した。 21世紀の『悪魔のいけにえ』のリメイクの成功に便乗し、『蝋人形の館』(2005)、『ファイナル・デッドコール 暗闇にベルが鳴る』(2006)、『血のエイプリルフール』(2008)、『テラートレイン』(2008)が公開された。同名の作品のリメイク『ザ・フォッグ』(2005)、『ストレンジャー・コール』(2006)、『プロムナイト』(2008)は、できるだけ10代の観客を引きつけるためにPG-13指定で公開されたが、『プロムナイト』のみがリメイク元の映画よりも多くのチケットを販売した。ロブ・ゾンビの『ハロウィン』(2007)は、1978年のオリジナル映画のシンプルさを取り入れたが、批評家によると、最初の映画を成功に導いたすべてのものを置き換えるという極端なビジョンを追加した。ゾンビが手がけた『ハロウィン』のチケットの売り上げは約850万枚だったものの、否定的な評価によってイメージが悪化し、2年後に公開された暴力的な続編『ハロウィンII』(2009)のチケットの売り上げは450万枚だった。『ハロウィン』や『悪魔のいけにえ』のリメイク版でみられた極端な暴力は、『ヒルズ・ハブ・アイズ』(2006)と評判の悪い続編『ヒルズ・ハブ・アイズ2』(2007)でピークに達した。 リメイクブームは2009年に『ブラッディ・バレンタイン3D』、『13日の金曜日』、『The Last House on the Left』、『スプラッター・ナイト 新・血塗られた女子寮』、『ステップファーザー 殺人鬼の棲む家』、『ハロウィンII』が公開される中でピークに達した。そのうち、『13日の金曜日』は870万枚のチケットを販売して最も成功し、『スプラッター・ナイト』はチケット販売数が160万枚未満と最も成功しなかった。『13日の金曜日』のリメイクのように、翌年の『エルム街の悪夢』(2010年)は公開週末の興行収入は好調だったが、その後すぐに興行収入チャートから消えた。ビデオ映画リメイク『マザーズデイ』(2010年)、『サイレント・ナイト 悪魔のサンタクロース』(2012年)や『Silent Night, Bloody Night: The Homecoming』(2013年)は、反応や賞賛を殆ど得ることはなかった。『チャイルド・プレイ/誕生の秘密』(2013)は、チャイルド・プレイフランチャイズの続編(リブートの要素を含む)で最初の劇場未公開作品であり、好評を博し2017年に独自の続編がリリースされた。リブートの『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』(2013)は、1974年のオリジナル版の続編として公開されたが、興行収入の不振により、前日譚の『レザーフェイス-悪魔のいけにえ』 (2017)はオンデマンド配信が中心となり劇場公開は限定的だった(『レザーフェイス』は2015年に撮影されたが、2年間リリースが棚上げされた)。
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