リソース制限協定 (RRA)
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「フォーミュラ・ワン・チームズ・アソシエーション」の記事における「リソース制限協定 (RRA)」の解説
FOTAはFIAのバジェットキャップを拒否した一方、自主的にリソース制限協定 (Resource Restriction Agreement, RRA) を締結し、バジェットキャップ撤回後はこの紳士協定がコスト削減ルールとなった。2009年7月にサインが交わされ、翌2010年1月1日より施行された。期間は2012年までとされたが、その後2017年まで延長されている。 RRAはチームの年間予算を1990年代のレベルまで引き下げることを目標としている。発表では2010年に前年比10〜30%、2011年に前年比20%のコストダウンを達成したとされている。 制限対象となるのはマシン(シャシー)の設計・製造・走行にかかわる費用であり、エンジンは含まれない。ドライバーやエンジニアとの契約金、マシン以外にかかる諸経費(マーケティング・メディア・総務・経理など)も対象外となる。 各チームは費用の枠内でバランスシートを柔軟に設定することができる。例えば、チームの人員数を増やせば外部委託料を減らし、風洞実験の時間を増やせば空力テストの走行距離を減らす。これらの形式をFOTAへ提出したら、シーズンを通して守らなければならない。 調査は外部の専門事務所が行い、チームだけでなく関係取引先も対象になる。虚偽申請の可能性に対しては、チーム間での相互監視(密告や通報)も利用される。協定に違反した場合、翌年の予算から超過分が減額されるという取り決めがあるとみられる。 しかし、実際には監視が難しい上に、公式規則ではないので、違反しても競技上のペナルティーを科される訳ではない。2011年にはチャンピオンチームであるレッドブルがRRAに違反しているのではないか、とFOTA内部で批判された。 2012年6月にはチーム側からFIAへの要請という形で、RRAをスポーティング・レギュレーションに導入し、FIAがチームの支出を監査するというプランが検討された。しかし、レッドブルとトロ・ロッソが規則化に反対し、チーム間で合意が成立せず、2013年からの導入は見送られた。
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