ラマヌジャン総和法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 06:54 UTC 版)
「1+2+3+4+…」の記事における「ラマヌジャン総和法」の解説
1 + 2 + 3 + 4 + … のラマヌジャン和(英語版)も −1/12 になる。ハーディへ宛てたラマヌジャンの二通目の書簡 (1913年2月27日付け) には .mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}"Dear Sir, I am very much gratified on perusing your letter of the 8th February 1913. I was expecting a reply from you similar to the one which a Mathematics Professor at London wrote asking me to study carefully Bromwich's Infinite Series and not fall into the pitfalls of divergent series. … I told him that the sum of an infinite number of terms of the series: 1 + 2 + 3 + 4 + … = −1/12 under my theory. If I tell you this you will at once point out to me the lunatic asylum as my goal. I dilate on this simply to convince you that you will not be able to follow my methods of proof if I indicate the lines on which I proceed in a single letter. …" (@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}やあ先生、1913年2月8日付の手紙を熟読してすごく満足したよ。僕は、ロンドンのどこかの数学教授と同じように先生も「ブロムウィッチ(英語版)の『無限級数』を用心深く学んで、発散級数の落とし穴に嵌らないようにしなさい」なんて返事すると思ってたんだ。……無限個の項を持つ数列の和:1 + 2 + 3 + 4 + … が僕の理論では −1/12 になると言ったときのように。こんなことを僕が言い出したら、先生はすぐ僕に精神病院送りになるぞと忠告するだろう。僕がこれを書くのは単に、一通の手紙に書けるだけの証明では先生が僕の方法を追えないかもしれないってことを、先生に納得してもらうためです。…[訳語疑問点]) と書かれている。 ラマヌジャン総和法は、級数の部分和に対するオイラー=マクローリンの公式の定数項だけを分離する方法である。関数 f に対して、級数 ∑ k = 1 ∞ f ( k ) {\displaystyle \scriptstyle \sum _{k=1}^{\infty }f(k)} の古典ラマヌジャン和 (classical Ramanujan sum) は c = − 1 2 f ( 0 ) − ∑ k = 1 ∞ B 2 k ( 2 k ) ! f ( 2 k − 1 ) ( 0 ) {\displaystyle c=-{\frac {1}{2}}f(0)-\sum _{k=1}^{\infty }{\frac {B_{2k}}{(2k)!}}f^{(2k-1)}(0)} で定義される。ここで f (2k−1) は f の (2k − 1)-階導関数で B2k は 2k-番目のベルヌーイ数である (B2 = 1/6, B4 = −1/30, ……)。f(x) = x とすれば f の一階導関数が f (1) = 1 で残りはすべて消えるから、 c = − 1 6 ⋅ 1 2 ! = − 1 12 {\displaystyle c=-{\frac {1}{6}}\cdot {\frac {1}{2!}}=-{\frac {1}{12}}} を得る。 矛盾が起きるのを避けるため、ラマヌジャン総和法の現代的理論では、f の高階導関数が「オイラー=マクローリンの公式の剰余項が 0 に収束するのに充分な速さで減少する」という意味の「正則性」を持つことを要求する。ラマヌジャンはこの性質を暗に仮定している。この正則性を課すことによって、そのような正則な関数をとることができない 0 + 2 + 0 + 4 + … のような病的な級数にラマヌジャン総和法が適用されることは防げる。そのような級数について、ラマヌジャン和の代わりにゼータ関数正規化によって解釈されるべきである。この理由を以ってハーディは、既知の級数のラマヌジャン和を関連する級数の和を求めるのに用いるときには「厳重な注意」("great caution") を要すると述べた。
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