ラマヌジャン・ピーターソン予想
ラマヌジャン予想
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/07 14:01 UTC 版)
「ラマヌジャン・ピーターソン予想」の記事における「ラマヌジャン予想」の解説
1916年、ラマヌジャンは次のことを予想した。 1, τ(n) は乗法的(英語版)(multiplicative), 2, τ(p) は完全乗法的ではないが、素数 p と自然数jについて τ ( p j + 1 ) = τ ( p ) τ ( p j ) − p 11 τ ( p j − 1 ) ( j = 1 , 2 , 3 , … ) {\displaystyle \ \ \ \ \tau (p^{j+1})=\tau (p)\tau (p^{j})-p^{11}\tau (p^{j-1})\ (j=1,2,3,\dots )} が成り立ち、 3, |τ(p)| ≤ 2p11/2. ラマヌジャンは等式 (3) の右辺の分母の中の、u = p−s の二次方程式 1 − τ ( p ) u + p 11 u 2 {\displaystyle 1-\tau (p)u+p^{11}u^{2}} が、いつも虚数根を持つことを多くの例から観察していた。二次方程式の根と係数の関係から、第三の関係式が導出でき、これをラマヌジャン予想と言う。更に、ラマヌジャンのタウ函数に対しては、上記の二次式の根を α と β とすると、 Re ( α ) = Re ( β ) = p 11 / 2 . {\displaystyle \operatorname {Re} (\alpha )=\operatorname {Re} (\beta )=p^{11/2}.} すなわち、上記の二次方程式の根の実部は、p11/2 となり、リーマン予想と似た形となる。ここから、全てのτ(n)について、任意の ε > 0 に対してO(n11/2 + ε) という少しだけ弱い予想が導かれる。 1917年、ルイス・モーデル (Louis J. Mordell) は、今日ヘッケ作用素として知られる複素解析的な技法を導入し、最初の 2つの関係式を証明した。三番目の関係式はDeligne (1974) でヴェイユ予想の証明の系として証明されたが、系であることを示すのは微妙な問題で、全く明らかではなかった。その部分は久賀道郎の仕事であり、佐藤幹夫、志村五郎、伊原康隆らも貢献し、Deligne (1968) がそれを応用したものである。この関係性の存在によって、エタール・コホモロジー理論による結果が得られつつあった1960年代後半において、いくつかの深い研究が触発された。
※この「ラマヌジャン予想」の解説は、「ラマヌジャン・ピーターソン予想」の解説の一部です。
「ラマヌジャン予想」を含む「ラマヌジャン・ピーターソン予想」の記事については、「ラマヌジャン・ピーターソン予想」の概要を参照ください。
- ラマヌジャン予想のページへのリンク