ラテン語・イタリア語マカロニック詩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/06/09 19:17 UTC 版)
「マカロニック」の記事における「ラテン語・イタリア語マカロニック詩」の解説
「macaronic」という語は14世紀後期にパドヴァで生まれたと言われている。語源は当時農民が食べていたパスタやダンプリングの一種である「maccerone」である(「maccerone」は「Macaroni(マカロニ」の語源だと推測されている)。「雅俗混交体狂詩」としてはTifi Odasiがラテン語とイタリア語を混交させて書いた滑稽詩『Macaronea』(1488年もしくは1489年に出版)がはじまりで、それと同時期に出版されたパドヴァのコッラードの『Tosontea』も雅俗混交体狂詩である。 Tisiたちは明らかに、当時の医者、学者、官僚の多くが使っていた怪しげなラテン語を風刺することを意図していた。「マカロニ・ラテン語 (macaronica verba)」は無学・不注意に起因する一方で、普通の人々が俗語に頼らずに自分の言いたいことを人に判らせようとして話した結果でもあった。 言語の混交したきわめて特殊な例は、フランチェスコ・コロンナ (Francesco Colonna) の『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』(1499年)である。基本的にはイタリア語の統語論と形態論を使って書かれているが、ラテン語、ギリシャ語、他を語源として作った語彙も使われている。Tisiの『Macaronea』とは同じ時代だが、『ヒュプネロトマキア・ポリフィリ』は言語の混交をユーモアとして使うのではなく、むしろ本の奇想天外だが洗練された性質を強める美学的技法として使っている。 Tisiの『Macaronea』は人気を博し、マカロニ・ラテン語で書かれたユーモア作品は16世紀・17世紀、とくにイタリアで隆盛を極めた。その中でも重要な作品がテオフィロ・フォレンゴ (Teofilo Folengo) の『Baldo』である。フォレンゴは自分の詩を「小麦粉・チーズ・バターで作った粗末な混ぜ物」と言った。
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