ヨーロッパ人到来以前の技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 07:48 UTC 版)
「アメリカ合衆国の技術と産業の歴史」の記事における「ヨーロッパ人到来以前の技術」の解説
北アメリカにはおよそ紀元前1万年以来人類が住んでいた。初期の住人はベーリング地峡を渡ってきた移動性の狩猟採集民であった。これら最初の先住民は、打製石器の槍先、原始的な銛を用い、加えて極地方では、狩猟を行うための動物の毛皮で覆われた小舟を使っていた。先住民が大陸内に分散するにつれて、太平洋岸北西部、中央大平原、アパラチアの森林および乾燥した南西部など様々な気候帯に遭遇し、そこで定住を始めた。太平洋岸北西部に住んだ住人は木の家を建て、網や梁を使って魚を獲り食料を保存するようになったが、実質的な農業は発展していなかった。大平原に住んだ住人は大部分移動性の狩猟採集民のままであり(時代によっては農業も営まれた)、バイソンなどを狩猟しながら皮革の加工技術が巧みになった。一方、南西部の乾燥地帯に住んだ住民は、日干しれんがの家を建て、陶器を焼き、綿花を育て、織物を織った。東部の森林地帯やミシシッピ川渓谷に住んだ住民は、広大な交易網を発展させ、ピラミッドのような塚を造り、実質的な農業を行った。アパラチア山脈や大西洋岸に住んだ住民は高度に持続可能な森林農業を行い、木材加工では専門性が高くなった。しかし、これら先住民の人口は少なく、技術的な変化の速度は遅かった。北アメリカの先住民は、ユーラシア大陸の民族のように動物を飼い馴らしていわゆる畜産とか酪農を行なったり、牛馬を使って耕したりすることはなく、文字を書いたり、青銅や鉄を使った道具を生み出すこともなかった。
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