ヤーシの著書『ハンガリーの将来とドナウ合州国』
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「ドナウ連邦構想」の記事における「ヤーシの著書『ハンガリーの将来とドナウ合州国』」の解説
「五民族地域(ハンガリー、オーストリア、チェコ、ポーランド、イリリア)」すなわちオーストリアの四分割と歴史的ハンガリーによって、民主的連邦制および民族自治を基礎とした東・南ヨーロッパを形成すべきと説いた。ヤーシのこの構想は、コシュートの「ドナウ連邦」構想を基礎としたものであり、歴史的・経済的・地理的に密接に結びついているこの「五民族地域」がそれぞれ独立国家を形成しても、各国間に新たな少数民族問題を抱え込むことになると主張した。1918年10月に出版されたヤーシの著書『ハンガリーの将来とドナウ合州国』によると、この連邦の制度は次のように規定される。 当該諸国は完全な独立を保持するが、防衛・関税・運輸・外交・および裁判権に関しては共同でこれを行う。 軍は、各該当国が国民軍を組織する。 五国は、友好の理念のもとに協力する。 連邦議会は、当該五国の首都において、輪番で開催される。 各省は、当該諸国に均等に配置される。(一例として、内務省をウィーン、外務省をブダペスト、財務省をプラハ、運輸省をトリエステ、連邦裁判所をワルシャワに設置する。) 各国大使も、当該地域からの輪番とする。 言語は、連邦議会においては、当該国の五言語(ドイツ語、ハンガリー語、チェコ語、南スラヴ語、ポーランド語)を共通語とする。(ドイツ語の歴史的位置は、ドナウ連邦でも維持されるであろう。) 連邦裁判所は、広範な民主主義を基礎に、共同の理念からなる民族立法の執行を統制する。
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