モノリッテン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/16 17:27 UTC 版)
「ヴィーゲラン彫刻公園」の記事における「モノリッテン」の解説
公園の一番高い地点である壇上には、この公園の目玉というべき作品・「モノリッテン」(モノリット、Monolitten、モノリス)が建っており、人目を惹いている。モノリスの語源はラテン語のモノリトゥス(monolithus)で、ギリシア語で「一枚の石」を意味するモノリトス(μονόλιϑος, monolithos, 「μόνος」=ひとつの、「λίϑος」=石)からきている。この「モノリッテン」も一枚岩から切り出されている。 モノリッテンは14.12メートルの高さで、121人の人物像が浮彫にされている。これらの人物は裸体で抱き合うようにもつれ合い、積み重なりながら空へと伸びている。これは、精神的なもの、聖なるものにより近づこうともがく人間の欲を表しているとされる。 モノリッテンの制作は、ヴィーゲランがフログネルの新しいアトリエに移った1924年に始まった。ヴィーゲランは粘土で原寸大の模型を作り、その完成までに10ヶ月をかけた。そのデザインには1919年に描かれた幾点かのデッサンが下敷きとしてあったと考えられている。完成した模型は石膏でかたどりされた。 1927年の秋、ノルウェー東部のハルデンの石切り場から、重さ数百トンもの巨大な花崗岩の塊がフログネルの庭園予定地に運ばれてきた。1年後に石の塊は垂直に立てられ、その周りを覆うように木材で仮小屋が組み立てられた。ヴィーゲランが作った石膏模型は石の塊の横に建てられ、石工はこれを参考に花崗岩を刻んでいった。石膏模型から花崗岩への転写作業は1929年に3人の石工により始められ、完成までに14年の年月がかかった。1944年のクリスマスの日に仮小屋の中のモノリッテンは一般公開され、18万人の人々が近くからモノリッテンを見ようと詰め掛けた。その後仮小屋が解体され、モノリスがフログネルの庭園の上に姿を現した。
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