メディア各社の報道と反論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:12 UTC 版)
「岡田更生館事件」の記事における「メディア各社の報道と反論」の解説
救出された当日、大森は事の詳細を殴り書きし、それを連絡速記員が電話口で次々と読み上げた。こうして、翌朝2月18日付の毎日新聞朝刊社会面に「収容者に相次ぐ死」、「疑惑の岡田更生館にメス」の見出しで報じられたが、事前取材の内容が主体であり、潜入取材には一切触れられていなかった。これは毎日新聞社会部長・斎藤栄一が、他の新聞社の出方を見るためであった。 毎日の朝刊報道を読んだ岡山県知事の西岡広吉は激怒し、当日午前11時に知事室で特別記者会見を開いて「証拠のない中傷記事には納得できない」と全面否定した。大森を含む約30名の報道関係者がその場にいたが、西岡は「新聞を売らんがための捏造」と糾弾している。これを受けて、新聞各社は当日の夕刊で知事の談話を大々的に報道し、翌日2月19日の朝日新聞は、警察の旧来の見解を引き合いに出して、毎日のスクープに反論する記事を載せた。また他紙も知事談話を肯定的に派手に扱い、「岡山県警、逃亡者の訴えで警部補派遣、不正事実発見されず」などの記事を掲載していた。 しかし、同2月19日の毎日新聞朝刊は現場の証拠写真を大きく掲載し、「本紙記者二名、館内に潜入」の見出しで反証した。また、入手した帳簿を基に「経営の実態を衝く」と見出しを打った記事を小西が執筆し、死亡した収容者の配給と交付金までもN館長が横領していた事実を数字と共に証明した。 これに対し岡田更生館当局は、「大森、小西両記者の悪意ある報道」と、ビラやチラシを撒いて宣伝し、このような対立は約1週間続いた。
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