メザシの真相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 14:44 UTC 版)
「メザシの土光さん」のイメージを定着させた『NHK特集 85歳の執念 行革の顔 土光敏夫』における「妻との夕食風景」について、諸説入り乱れている。 2003年(平成15年)3月に「アーカイブス特選」として、この番組が再放送された際、ゲスト出演した瀬島龍三によれば、ある行革に関する集会の終了後、会場の出口で浅草六区の婦人会連が袋いっぱいのメザシを持って待ち構え、出てきた土光と瀬島に手渡したという。あまりの量で大変な重さだったと瀬島は述懐した。 早房長治の『朝日新聞』1995年(平成7年)2月3日号の「にゅうすらうんじ」において、実際は故郷の岡山県から送られて来た山海の珍味を使った直子夫人の手料理にもしばしば舌鼓を打っていたとし、「テレビなどの演出に乗ったのは、『質素なリーダー』のイメージを利用して、行革を成功させるためだったと思う」と、演出ではないかという指摘がなされている。 土光が経団連会長だったときに秘書を務めた居林次雄は、2011年(平成23年)に開催された土光敏夫記念講演会で講演し、以下のように真相を語っている。あるとき、100人以上の社長が出席する経団連の昼食会において、土光が「君達はハマチの刺身ばかりを食べているだろうが、イワシを 10 与えて、やっとハマチが1採れる。イワシをもっと食え」と言った。それを聞いた農林水産省の官僚がメザシを買って持って来て、そこに日本放送協会の取材とかち合った。 しかし土光は、18時以降と土曜日・日曜日の取材は受け付けない。「私邸の夕食に取材は入れられない」と拒否する土光に対し、居林は「会長、なぜ政治家や役人が行革に応じないか分かりますか? 財界人が毎晩、料亭で豪華な食事をしているのに、役人と政治家だけが質素な生活をさせられるのは、おかしいと思っているのですよ。一度、会長の質素な私生活を見せて頂けると効果がある筈です」と説得して、あのテレビ放映になったのだという。
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