マーシャの功績とトリビュート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 22:01 UTC 版)
「マーシャ・P・ジョンソン」の記事における「マーシャの功績とトリビュート」の解説
マーシャの死後、国際的にLGBTの権利が認識され始めたことで、マーシャの功績やストーンウォールの反乱に関わった活動家を再評価する動きがある。 2012年のドキュメンタリー映画 "Pay It No Mind – The Life and Times of Marsha P. Johnson"では、1992年に撮影されたマーシャのインタビューや、グリニッジ・ヴィレッジのマーシャの友人たちのインタビューが含められた。 ストーンウォールの反乱をテーマにした映画、「ストーンウォール」ではシス男性俳優、Otoja Abitがマーシャ役を演じた。白人ゲイ男性が映画の主役で、史実と異なり白人ゲイ男性が反乱を先導するという歴史修正的な描写や、トランスジェンダー女優でなく、シスジェンダー俳優がマーシャを演じた事などで、映画は批判を浴びた。 同じく、ストーンウォールの反乱をテーマにした「Happy Birthday マーシャ!」ではトランス女性でもある女優Mya Taylorがマーシャ役を演じた 2017年のドキュメンタリー映画「マーシャ・P・ジョンソンの生と死」では自身もトランス女性である活動家ビクトリア・クルーズがマーシャの事件を調査している 。2017年にNetflixによってライセンスが取得され、独占配信が決まった。 ニューヨーク出身のミュージシャンANOHNIは複数のトリビュートをマーシャに送っている。彼女がボーカルを務めるバンド、アントニー・アンド・ザ・ジョンソンズの名前はトランスジェンダーである自身の出生名(アントニー)とマーシャの名前からきている。1995年にはトリビュート演劇「The Ascension of Marsha P. Johnson」を発表した。 アメリカのドラァグ・クイーンでタレントのル・ポールはマーシャを自身のインスピレーションだとして、「彼女こそがドラァグの母だ」と説明した。リアリティ番組「ル・ポールのドラァグ・レース」では、コンテストに参加したドラァグ・クイーンたちに「マーシャがあなた達のための道を作った」と語った。 2018年には、New York Timesに21年遅れでマーシャの追悼記事が記載された。 2019年には、ストーンウォールの反乱50周年を記念して、テキサス州ダラスにLGBTの権利のパイオニアとしてマーシャとシルビア・リベラの大きな壁画が作成された。トランスジェンダー・プライド・フラッグの前に二人が描かれた壁画はトランスジェンダーコミュニティを讃える世界最大の物だとされている。 2019年5月30日には、マーシャとシルビア・リベラを讃えるモニュメントがグリニッジ・ヴィレッジのストーンウォール・インの近くに設置されることが発表された。2021年ごろの完成が予定されている。完成されれば、トランスジェンダーの活動家が称えられたモニュメントとして世界初となる。 2019年5月31日、自身もクィアであるストリート・アーティストHomo RiotとSurianiによるマーシャの壁画がニューヨークの2番街とヒューストン通りの交差点に描かれた。 2019年6月には、マーシャはストーンウォール・インにおけるモニュメントの50人のLGBTのパイオニア、ヒーローに選ばれた。これはLGBTの権利活動と歴史に関連したアメリカ初の国定文化遺産である 。 2020年2月1日に、ニューヨーク知事アンドリュー・クオモはブルックリンのイースト・リバー・パークをマーシャの功績を称えて「マーシャ P. ジョンソン州立公園」と改名することを発表した。LGBTの偉人の名を冠した州立公園はこれが初めてである。
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