ポーランド人全体の罪なのか
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/09 09:34 UTC 版)
「アウシュヴィッツ後の反ユダヤ主義―ポーランドにおける虐殺事件を糾明する」の記事における「ポーランド人全体の罪なのか」の解説
ホロコーストを生き残った人の息子であり、小説家で法律学教授であるユダヤ人のテイン・ローゼンバウムはロサンゼルス・タイムズ紙にこの本についての評論を寄稿し、ポーランドが「(問題意識の)欠如に祟られた国家である。」と書いた。さらに、「グロスのこの本はなぜポーランドにはユダヤ人がほとんど残っていないのかという疑問に対して国民的反省を喚起するものである。今から嘆いてもそれが遅すぎるということはない。ポーランドの魂はそれができるかどうかにかかっている。」と主張した。 いっぽう、キリスト教徒のポーランド人によって両親の命が救われた著述家で文学博士のユダヤ人エヴァ・ホフマンは、「ポーランド人全体の罪」という考えに対し強く反論している。「ホフマン女史の反論は彼女のご両親の経験と直結していることは疑いの余地がない。」と唱えるウェルズリー大学のロシェル・G・ルートシルトもユダヤ人であるが、国際的メディアの論評や、グロスの本についてプリンストン大学出版会がそういったメディアに寄せたような推薦文を真に受けるようなことはしない。ルートシルトは、こう書評している。 (当時のユダヤ人は)自らが救われたことについて、ホロコーストが行われているあいだ自らの命を危険にさらしてまで彼らを助けたキリスト教徒のポーランド人に感謝するべきだ。ともすれば簡単に篭絡されてしまうような状況や、ホロコーストについて頻繁に描写される残酷場面や人種差別といった極限状態においても、人々は勇気と良識を忘れないものであるとホフマン女史は主張する。これはヤン・グロスの主張と真っ向から対抗するものである — Rochelle G. Ruthchild, Wellesley College Book Review, "In the aftermath of Holocaust" Excerpt from a review of After Such Knowledge: Memory, History, and the Legacy of the Holocaust written by Eva Hoffman in 2004.
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