ポンチョ電気バス
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ポンチョ電気バス 1号車SDG-HX9JLBE改 西東京バス/羽村市はむらん 2012年(平成24年)3月、コミュニティバス向けの電気バス仕様「HINO PONCHO LOW-FLOOR ELECTRIC COMMUNITY BUS」が開発された。型式はSDG-HX9JLBE改であり、1号車が東京都羽村市、2号車が東京都墨田区に納入された。 ポンチョを改造した電気バスは、早稲田大学や東京R&Dなどにより改造されたコンバートEV(港区コミュニティバス「ちぃばす」では東芝製二次電池を搭載した電気バスで実証運行が行われた)として以前から存在するが、羽村市と墨田区に納入された電気バスは、日野自動車により開発されたメーカー純正電気バスである。 同年3月10日、1号車が羽村市コミュニティバス「はむらん」で運行開始した。これが全国初の電気バスによる定期運行となる。羽村市で初導入となったのは、市内に日野自動車羽村工場が所在する「お膝元」であるため。西東京バスB21251号車で、青梅営業所が運行受託する。 続いて同年3月20日には、2号車が墨田区内循環バス「すみだ百景 すみりんちゃん」で運行開始した。京成バス1401号車で、奥戸営業所が運行受託する。 翌2013年3月30日には、小松バスが「宇宙バスこまち☆」としてポンチョ電気バスを導入、内装は宇宙船をモチーフとした斬新なものとなっている。サイエンスヒルズこまつ・小松駅 - 小松空港・石川県立航空プラザ間で運行(一部は安宅住吉神社発着)。「はむらん」「すみりんちゃん」と同型式である。石川県小松市にはジェイ・バス本社および小松工場(旧:日野車体工業)がある。 電気バスは販売実績の多いロングボディで開発され、車両はいずれも2ドアのロングボディとなっている。羽村市「はむらん」では電気バスを除きショートボディの車両を採用しているため、他の車両と乗降方式を合わせて中扉を閉め切り扱いとしている。 バッテリーは小型のものを搭載し、短距離を走行して高頻度に充電することを前提として開発されており、満充電時の航続距離は30 kmと短く設定されている。パワートレインは、米国UQMテクノロジーズ社製200 kWモーターと、IHI製リチウムイオンバッテリー(30 kWh)が組み合わされる。 車両価格は約8,000万円と非常に高額である。日野自動車によると、その費用の大半はパワートレインが占め、中でもバッテリーの割合が大きいという。路線バスとして実用的なレベルまで航続距離を伸ばすためには、理想のバッテリー性能は10倍程度必要だが、現状では市場にそれを満たすものが存在しないという。実際の運行のためにはそのほかに、充電設備の設置費用などがかかることになる。 このポンチョ電気バスは、公益社団法人自動車技術会から「日本の自動車技術330選」に選定された。 「電気バス#日野・ポンチョ電気バス」も参照 充電中の電気バス西東京バス B21251号車羽村市「はむらん」 ポンチョ電気バス 2号車京成バス 1401号車墨田区「すみだ百景 すみりんちゃん」
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