ポロネーズ第7番 変イ長調幻想とは? わかりやすく解説

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ショパン:ポロネーズ第7番 変イ長調「幻想」

英語表記/番号出版情報
ショパンポロネーズ第7番 変イ長調幻想Polonaise-Fantaisie As-Dur Op.61 CT156作曲年: 1845-46年  出版年1846年  初版出版地/出版社Leipzig, Paris, London  献呈先: Anne Veyret

作品解説

2010年4月 執筆者: 塚田 花恵

作曲】1845-46年
出版1846年に、パリ出版社:Brandus)、ライプツィヒ出版社:Breitkopf & Hartel)、ロンドン出版社:Wessel)で出版

 ショパン晩年の傑作とされている作品弟子ヴェイレ夫人献呈されたこの作品は、ピアノ独奏曲としては最期大曲である。この曲を書いたとき、ショパン肉体的精神的に困難な状態にあった1843年頃からショパンはたびたび病床についていたが、同時にジョルジュ・サンドとの関係も破局へと向かっていたのである。この作品は、そのような極限の状態で生み出された。
 「ファンタジー幻想曲)」という名を与えられたこのポロネーズは、厳格な形式持たず即興的に音楽広がっていくかのように聴こえる作品である。そこではあたかも即興演奏のように、多種多様な音楽的要素現れる。その中には主題」のように聴こえるにもかかわらず回帰しない素材もあり、聴き手音楽の「出来事」の連続予測することができないのである
 しかし、全体ラプソディーのように流れていくにもかかわらず各部分は入念に結びつけられている。前の素材から次の素材生み出されるような感覚また、異質な素材挿入されることによって流れ中断されるような感覚作られ、それによって音楽満ち干生み出されているのである
 全体は、以下のような三部区分できる
第I部:序奏1-23小節)-A(24-65小節)-エピソード(66-91小節)-A(92-115小節
II部B1(116-147小節)-C(148-180小節)-B2(181-205小節)-C(206-213小節)-序奏(214-215小節)-B2(216-225小節)-推移(226-241小節
III部:A(242-253小節)-C(254-288小節
 第I部は、即興演奏思わせる序奏で始まる。ポロネーズリズムによって主要主題Aが導入され、ここでAs-durが明確になる主題Aが次第に熱を帯びて広がっていくと、舞曲らしい性格エピソード挿入される。そして主題Aが、叙情的流れるような三連符伴奏にのって回帰する
 第II部は、ノクターンのように装飾的な主題B1で始まる。この主題は、後に現れる主題B2と、音楽的な実質共有していると見ることができる。作品中心には、「緩徐楽章のような雰囲気のC主題置かれている。これがB2主題によって中断されたあと、C主題短く回帰する冒頭序奏再び現れると、B2主題pp断片的に蘇り再現部準備するパッセージ突入する。このパッセージは、ポロネーズリズムを伴うものである
 第III部では、As-durで主題Aと主題Cが再現して頂点に達する



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