ポツダム命令であるかの再検討3―「ポツダム命令について」に加えるべきもの2新規制定その2
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「ポツダム命令」の記事における「ポツダム命令であるかの再検討3―「ポツダム命令について」に加えるべきもの2新規制定その2」の解説
聯合国軍検閲官ノ為ス通信検閲上ノ必要ニ基キ電報及電話通話ノ取扱ニ関シ制限ノ件(昭和20年閣令第72号) この命令は、占領軍の検閲のため国際電報について暗号の使用を禁止するなどの制限をするものであり、「聯合国軍最高司令部ヨリ別紙ノ通申入アリタルニ」とあり、ポツダム命令の要素をそなえているように見える。しかし閣議決定は確認できず、制定文に「ポツダム宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」に基づく記載もない。占領軍の検閲に関しては、昭和20年10月12日にポツダム命令として公布された連合国占領軍ノ為ス郵便物、電報及ビ電話通話ノ検閲ニ関スル件(昭和20年閣令第43号)が、占領軍の検閲に協力するため必要な行為をさせることができるとしており、聯合国軍検閲官ノ為ス通信検閲上ノ必要ニ基キ電報及電話通話ノ取扱ニ関シ制限ノ件(昭和20年閣令第72号)は、連合国占領軍ノ為ス郵便物、電報及ビ電話通話ノ検閲ニ関スル件(昭和20年閣令第43号)に基づく2次的な命令とすればこれ自体はポツダム命令でないことになる。 海外に発着する電報及び電話通話の取扱制限に関する件(昭和22年逓信省令第32号) この命令は、海外に発着する電報及び電話通話について、金融取引に関するもの等を扱わないとするもので、閣議決定は確認できず、制定文に「ポツダム宣言ノ受諾ニ伴ヒ発スル命令ニ関スル件」に基づく記載もない。なおこの省令で閣令第72号を廃止している。 昭和25年9月1日に公布された海外に発着する電報及び電話通話の取扱制限に関する省令(昭和25年電気通信省令第13号)は、制定文に「ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基づく」の文言があり、また閣議決定も経ておりポツダム命令であることは明らかである。(「ポツダム命令について」でもポツダム命令としている)。 問題はこの閣議決定の説明資料としてそれまでの取扱制限の法令として連合国占領軍ノ為ス郵便物、電報及ビ電話通話ノ検閲ニ関スル件(昭和20年閣令第43号)と海外に発着する電報及び電話通話の取扱制限に関する件(昭和22年逓信省令第32号)を記載し「以上の制限は、通信における国民の権利を制限するものであり憲法第二十一条に規定する「表現の自由」「通信の密」との関連もあるからポツダム省令の形式をもつて施行している」のしていることである。となれば形式はともかく所管省は実質的な面からこのふたつの命令はポツダム命令であったとしていることになる。
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