ボリュームアクティベーション2.0
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 04:31 UTC 版)
「Microsoft Windows Vista」の記事における「ボリュームアクティベーション2.0」の解説
ボリュームアクティベーション2.0(VA2.0)は、Windows Vistaから新たに採用された、ボリュームライセンス(VL)専用のアクティベーション形態である。VA2.0ではキー管理サービス(key-management service;KMS)またはマルチライセンス認証キー(Multiple Activation Keys;MAK)という2形態の新たなアクティベーション方法が採用されることになった。なお、これらは2017年7月現在、最新のWindowsのほかMicrosoft Officeにも用いられている。 キー管理サービス (KMS) VL版Vista(Ultimateを除く)では手動セットアップ時にプロダクトキーを入力する機会が無い。これはデフォルトでKMSクライアント対応のプロダクトキーがプリインストールされているためである。 KMSはライセンス認証にLAN内の専用サーバを介す方式で、LAN内に膨大な数のクライアントPCを抱える顧客に向いたアクティベーション方式である。Vistaの場合は最低25ライセンス以上の契約が無ければこの方法を選択することができない。LAN内にKMSホスト(アクティベーション用のサーバ)を立ち上げることでマイクロソフトはそのKMSホストとの間でしかアクティベーションに関知せず、クライアントはKMSホストを相手に認証を行う。すなわちアクティベーションはLAN内で完結するため外部ネットワークに負担をかけないほか、各々のクライアントPCはプロダクトキーの存在すら個々に意識する必要はない(ただしKMSホストにDNS登録を行う必要がある)。一方で、ハードウエア構成に変更がない場合でも一定期間ごとにアクティベーションを行う必要があり、KMSホストの存在するネットワークでしかアクティベーションができないという制限がある。KMSホストを立ち上げるためにはKMSホスト用のプロダクトキーが別途必要になるが、これはKMSクライアント用のプロダクトキーとは違い、インストール台数や再アクティベーション回数に制限が設けられている。 マルチライセンス認証キー (MAK) MAKはLANが無いスタンドアローンか、小規模のLANしか持たない顧客に向いたアクティベーション方式である。VL版Vista(Ultimateを除く)はMAKに対応したプロダクトキーに差し替えることでKMSホストを介さずに直接マイクロソフトとの間でオンラインまたは電話でのアクティベーションを行うことができる。この場合は大幅にハードウエアを変更するまで再アクティベーションを行う必要がない反面、アクティベーションできる回数に制限がある。しかしながら正規に利用するうえでは(再インストールを含めて)ライセンス数に比べてほぼ問題にならない充分な回数が設定されている。前述のようにVL版Vistaは普通にセットアップした場合はKMSが適用されてしまうため、MAKを利用する場合はプロダクトキーを後から差し替えるか、もしくは無人セットアップファイルにあらかじめMAKプロダクトキーを記述してセットアップする必要がある。
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