ボイラー・火室・煙室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/21 05:55 UTC 版)
「サザン鉄道リーダー級蒸気機関車」の記事における「ボイラー・火室・煙室」の解説
ボイラーはブレイドのパシフィックでの経験を反映した、蒸気発生効率の良いものであった。イーストレイで全数が製造されたリーダ級のボイラーは、計画全体を通じて最も問題の少ない部分であった。ボイラー圧力は280 psi(ポンド毎平方インチ)で、火室(英語版)下部よりボイラーに入る水をあらかじめ温めるよう、四つの熱サイフォンが設置されていたのはブレイドのマーチャントネイビー、ウェスト・カントリー級およびバトル・オブ・ブリテン級と同様である。 リーダー級の火室は「乾式」であり、頂部および側面にウォータージャケットはなかった。火室は鋼板溶接で、断熱には水ではなく耐火煉瓦が用いられたが、これは新しい試みであると同時に問題でもあった。耐火煉瓦により火格子面積は47平方フィートから25.5平方フィートに減少し、炎が狭い領域に集中することになった。焚口は左側に寄せられており、機関助士にとっては扱いが難しかった。 当初、火室に煉瓦アーチはなかったが、1950年夏に後から設置された。煉瓦アーチにより、高出力時に炎が運転室に入り込む問題が生じた。熱サイフォンは以前のパシフィック形機関車同様にうまく機能していた。 煙室の真空を維持できないことも、労力低減を目的としたブレイドのもう一つの新機軸、すなわち、運転室からスライドハッチを操作して、走行中に灰を除去する機構の故であった。実際にはスライドハッチ周囲に灰が残ると煙室に常時空気が流れ込み、機関車全体の効率低下を招いた。強力な排気ブラストも、灰や燃えさしを大気中に放出し、火災の危険性を増す可能性があった。 今日のディーゼル機関車に似た形状の鋼板で構成された車体は、従来の蒸気機関車のデザインとの決別を示すものであった。これは、客車洗浄装置を利用して保守労力を減らすことを意図したものであった。
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