ペローとサンバー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 23:25 UTC 版)
原著の口絵と英訳本の口絵 左:シャルル・ペロー『昔ばなし』(1697年刊)の口絵中央:『昔ばなし』の口絵。別バージョンのガッシュ画。右:英訳本 "Histories, or Tales of Past Times "(1729年刊)の口絵 1697年、フランスの詩人で作家のシャルル・ペローが8つのおとぎ話をまとめた童話集『昔ばなし(フランス語版)(Histoires ou contes du temps passé )』をパリで出版した。それを1729年にイギリス人作家ロバート・サンバー(英語版)が英訳し、"Histories, or Tales of Past Times" と題して母国に紹介した。その本の口絵(■右に画像あり)は原著の口絵(■右に画像あり)と同じ趣旨で描かれている。暖炉のある部屋で糸車を回しながら幼子と若者に昔話を語って聞かせるお婆さんの様子を表現しているのであるが、原著の口絵にある分厚い木製扉の高い位置に取り付けられている飾り板には「鵞鳥かあさんのお話」を意味する "contes de ma mère l'oye(音写例:コントゥ・ドゥ・マ・メール・ロワ、コント・ド・マ・メール・ロワ、英訳:tales of mother goose )" というフランス語が記されており、英訳本では、この部分を同じ意味になるよう "mother goose's tales(音写例:マザー・グースィズ・テイルズ)" と言い換え、同書の副題(サブタイトル)にも採用した。のちにこのフレーズは本の表題(メインタイトル)に使われることにもなる。これが、以後 "Mother Goose" として固有名詞化してゆく英語フレーズの初出であった。後述する伝説上の人物としての Mother Goose も全き同根語である。 サンバーの英訳本は18世紀中に何度も増刷されて広く読まれている。アメリカでは世紀末の1794年になってようやく出版された。そして、こうしたことを背景に "Mother Goose" という言葉はまずはイギリスの人々に親しみをもって受け容れられ、伝承童話や童謡と結び付けられるようになっていったと考えられている。
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