ヘッド・カムバルブ・インジェクター
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 10:23 UTC 版)
「トヨタ・G16E-GTS」の記事における「ヘッド・カムバルブ・インジェクター」の解説
シリンダーヘッドは軽量化のためにアルミブロックであり、冷却水の流れを加速させるためウォータージャケットを2つに分割。吸排気動弁機構はDOHCを採用し、タイミングチェーンにより駆動する。また、DOHCながら油圧式ラッシュアジャスターが採用されている。 カムシャフトはトヨタ自動車が独自に開発した鋼製の中空組立カムシャフトを採用し、軽量、高レスポンス化を行っている。両方のカムシャフトに可変バルブタイミング機構のVVT-iWを装着し、吸気側が70°まで、排気側が41°までの可動範囲でバルブタイミングを制御する。 カムキャップは2階建て構造を採用しており、M15A型に比べ2kgの軽量化を達成。タイミングチェーンカバーの構造変更も行い、同じくM15A型に比べ1kgの軽量化を更に達成している。 バルブ関連ではダイナミックフォースエンジンの特徴であるレーザークラッドバルブシートを使用せず、バルブシートを工夫して打ち込んでいる。これはダイナミックフォースエンジンと同様に高ダンブルでの高速燃焼を実現しつつも、シートの打ち換え等メンテナンスやカスタマイズ、チューニングでの扱いにくさを解消するためである。バルブ径は吸気側が32.8 mm、排気側が32.0 mmと通常では空気を多く取り入れるため吸気側を大きくするのに対し、吸気バルブと排気バルブの大きさが近いものとなっている。これは当機がターボエンジンで排気を再利用できることや、ノッキング耐性や出力向上の観点から排気流量を増やすことを念頭に数値流体力学(CFD)解析及びCAE設計をした結果である。この設計でダンブル流の強度とバルブ径を最適化したことによって燃焼速度が向上した。なお最適なポート形状を追求した結果、吸気ポート形状がモータースポーツ用ではないトヨタの最新4気筒エンジンのものと似通る結果になった。 インジェクターはポート噴射・直噴を併用する「D-4S」のターボ版、「D-4ST」を採用している。このインジェクターは、低中回転域に複合噴射を行い、高回転域は直噴のみの噴射になる。また、運転状況に応じて2.4 - 20 MPaの範囲で噴射圧が制御される。この制御の働きで低中回転域での安定的な運転や高負荷運転時のノッキング抑制が可能になる。
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