プロツアー制度崩壊の危機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/30 21:04 UTC 版)
「UCIプロツアー」の記事における「プロツアー制度崩壊の危機」の解説
2008年6月13日、マッケイドは、3月に開催されたパリ〜ニースの運営に関し、UCIを排除したことに対してFFCに強い憤りを示し、10000スイスフランの罰金を含む制裁を行うと表明した。 この制裁表明に対しFFCは、来年度以降もパリ〜ニースについてはUCIの関与を認めないと表明したばかりか、2012年開催予定のトラック及びシクロクロスの世界選手権についても同様の考えがあることも合わせて言明。さらにFFCのこの発言が伏線となり、7月4日、コフィディスが来年度のプロツアーライセンスを更新しないことを表明した。 さらにツール・ド・フランスの休息日にあたる7月15日に衝撃的なニュースが報じられる。前述したコフィディスのプロツアー離脱表明に倣う形で、ツール・ド・フランスに参加しているプロツアーライセンスの17チームが、来年度のプロツアーライセンスを更新しないことを、ASO、RCSスポルト、ウニプブリクのグランツール主催者と合意したと表明した。 この合意については、前々からライセンス料が高すぎる(年間2500万円相当)ことに加え、ロードレースファンの人気が高いグランツールの全面離脱や、ロンド・ファン・フラーンデレン以外のモニュメントレースのプロツアー対象レースからの離脱により、プロツアーに止まる意義を失ったことに起因している。加えて今回の合意については、グランツール主催者側が水面下で画策している、プロツアーに代わる新制度導入と深くかかわっていると見られる。またこの衝撃的なニュースに対し、「UCIプロツアーはもう終わりだ」という声が高まる一方、プロツアー制度の維持を図りたいUCIは、2009年度のプロツアー対象レースとして、ロシアのソチで行われているGP・ソチを新たに加えたいと表明した。 UCIがプロツアー制度維持に対して強弁の姿勢を示す背景として、ヨーロッパ自転車競技連合(UEC)が3月3日、2009年度以降についてもプロツアー制度の維持を支持するとした表明を行ったことに起因している。 その後、UCIは、プロツアー制度維持を図るべく、離脱を申し出たいくつかのチームに収拾打開策を呼びかけたが、プロツアーの今後のあり方を考える、「ワーキンググループ」と呼ばれる次の5チーム、ゲロルシュタイナー、チームCSC-サクソバンク、エウスカルテル・エウスカディ、アージェードゥーゼール・ラモンディアーレ、サイレンス・ロットと、ツール・ド・フランスの休息日である7月21日に、イタリアのクーネオで会談を行った。 その会談で、ワーキンググループの取りまとめ役となった、ゲロルシュタイナーのチーム監督、ハンスミヒャエル・ホルクツァーは、2009年度についてもプロツアー制度の存続を示唆した。2008年8月18日、UCIは、ASOの親会社であるEPA(エディシオン・フィリップ・アモリ=Éditions Philippe Amaury)と交渉を重ね、長年に亘るASOとの確執状態に終止符を打ったことを表明。IOC会長のジャック・ロゲや、同委員のジャン=クロード・キリーもこの歴史的和解に向けて尽力したことも伝えられた。
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