プレーオフマジック(クライマックスマジック)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/10 03:03 UTC 版)
「マジックナンバー (野球)」の記事における「プレーオフマジック(クライマックスマジック)」の解説
2004年からパシフィック・リーグがプレーオフを導入。また、2007年から両リーグでクライマックスシリーズ(以下「CS」という。)がスタートした。これに進出できるまでのマジックを、それぞれ「プレーオフ進出マジック」「クライマックスシリーズ進出マジック(略してCSマジック、あるいはCMと表記される)」。自力で今いる順位に入る可能性がなくなったチームが3チーム以上になった場合にそのチームに点灯する。なお、パシフィック・リーグでは2004年からの3年間はプレーオフの結果でリーグ順位を決定していたので、従来指標によるマジックナンバーは「レギュラーシーズン1位決定マジック」としていた。 対象となるチームは4位以下(Bクラス)の全チームであることが多いが、残り試合数に差があれば、優勝マジックと同様にBクラスのチームに点灯する可能性もある。主な概要は優勝マジックと同じである。また、下位のチームの勝率が5割以下になることが確定した場合、マジックが3減ることもある。 例として、点灯チームが70勝70敗1分、対象チームが68勝70敗3分で残り試合がともに3試合の場合、対象チームは全勝すると71勝70敗3分、勝率.50354で、点灯チームがこれを上回るには3勝する必要があるので(3勝すると73勝70敗1分で勝率.5105だが、2勝1敗だと72勝71敗1分で勝率.50350となる)CM3となるが、点灯チームが勝利して対象チームが敗北した場合、残り2試合を点灯チームが全敗すると71勝72敗1分で勝率.49650、対象チームは全勝しても70勝71敗3分で.49645となり、点灯チームを上回れなくなる。このケースではCSマジックが一気に3減って0になったことを意味する。対象チームの負け越しが決まったときにこの状況が起こり得るが、優勝マジックでは、対象チームと勝率が並んだ場合に上位となることが確定した場合を除き、通常起こらない。 最速点灯記録は7月8日の阪神(2008年・M55)。CSへは、各リーグ6チーム中上位3チームが出場できるので、自チームが残り試合全敗で、他チームのうち、残り試合全勝でも自チームより勝率が上回れないチームが3チーム以上あれば、自チームのCS進出が決まる(CSマジックがゼロになる)。CSマジックの場合、マジック点灯チーム、マジック対象チームのいずれも複数のため、その計算はリーグ優勝マジックよりも複雑である。特にリーグ戦では、下位チームの試合消化が遅いと現在より下の順位に自力で入れないケースが生ずるため、計算がさらに煩雑になりやすい。例えば2位甲が71勝65敗6分、3位乙が68勝64敗5分、4位丙が63勝63敗5分の場合、甲は残り2試合に全勝すると73勝65敗6分(勝率.52899)となるが、乙が残り7試合を6勝1敗で、丙が残り13試合を11勝2敗で終えると、乙と丙が74勝65敗5分(勝率.53237)で並ぶので、甲は残り2試合がともに乙戦でない限り、2位でありながらより下の3位に自力で入れない。 プレーオフマジックの発生を、メディアが見落とすこともまれにある。メディアの多くは、共同通信社が配信する順位表に依存している。2009年9月19日付け以降、共同通信社の配信記事を転載している新聞で、プロ野球の順位表には、CS進出決定の☆マークのみの掲載となった。これは、配信元である共同通信社の「マジックナンバー計算プログラム」の一部に不具合が生じたためである。ただし、リーグ優勝へのマジックナンバーは掲載されているので、同プログラムの不具合はCSマジックのみだと思われる。なお、記事本文にはCSマジックの状況は記載されているほか、残る1枠(3位)に対しての進出マジックについても、優勝マジックの条件と大差ないので数値が記載されることもあった。 こうした経緯もあって、共同通信社では2010年シーズンはCS進出決定となるまでの勝利数の指標として「CSクリンチナンバー」を配信することとした。 詳細はクライマックスシリーズ#クリンチナンバーを参照。
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