プレジダン・ディレクトゥー・ジェネラル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 02:07 UTC 版)
「役員 (会社)」の記事における「プレジダン・ディレクトゥー・ジェネラル」の解説
プレジダン・ディレクトゥー・ジェネラル(フランス語: Président-directeur général:男性型)、プレジダント・ディレクトゥリス・ジェネラル(フランス語: Présidente-directrice générale:女性型)、略語:PDG。取締役会長兼代表執行役社長に相当する。フランスやケベック州(カナダ)の会社において、取締役会長 (Président du conseil d'administration (PCA))と代表執行役(社長、Directeur général (DG))を兼任する役員の実務上の肩書きである。取締役会 (CA) のプレジダン (Président) であるとともに会社のプレジダン (Président) でもある、言わば取締役会長兼社長であるとされる。その絶大な権限は米国会社における最高経営責任者(CEO)を凌ぐとされる。会社が任意に設置する会議体である経営委員会(Conseil de direction、 Comité de direction、または Comité executif)等の構成員であることが多い。 1930年代までは、フランスの商法には株式会社 (SA) の役員として取締役 (Administrateur)と監査役 (Commissaire)が規定されていたが権限に関する規定が不十分で、取締役会についても会社が任意に設置した会議体であり法令には規定がなかった。会社の業務執行については、取締役に代表取締役 (Administrateur délégué)の肩書きを付与するか、取締役以外のものに執行役 (DG) の肩書きを付与して会社の業務執行を委任していたが、代表取締役や執行役 (DG) の権限は契約関係で定められており、権限の所在が不明確であった。また、取締役が会社と雇用契約を結んで、従業員として多額の報酬を受けていたなどの不正行為もあるなど、制度上の不備が認識されていた。そのため、1940年から1943年にかけての法改正で、これらの問題の対策として取締役会 (CA) を法定の機関としてその権限を規定した上で、取締役会長 (PCA) に権限を集中し、取締役会長 (PCA) は代表権を有するとともに執行役 (DG) を兼任すると定められた。この法改正以後、フランスの会社では取締役会長 (PCA) 兼執行役 (DG)、すなわちプレジダン・ディレクトゥー・ジェネラル (PDG) が定着していった。 2001年のNRE法(新経済規制法)により、伝統的な取締役会 (CA) を設置する会社でも監督と執行の分離を可能にするため、原則として取締役会長 (PCA) は執行役 (DG) を兼任せず、会社の代表権が執行役 (DG) に付与されることになったが、定款の定めた条件下で取締役会 (CA) が取締役会長 (PCA) と執行役 (DG) の兼任を決議することができる。NRE法の施行後、上場会社では取締役会長 (PCA) と執行役 (DG) を分離する会社があるが、プレジダン・ディレクトゥー・ジェネラル (PDG) の制度はフランスの会社で根強く支持されている。
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