プラトンの論理学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/24 15:46 UTC 版)
紀元前4世紀の偉大な哲学者プラトン(紀元前428年-紀元前347年)の現存する著作の中に形式論理学を扱ったものは皆無だが、哲学的論理学に対する需要な貢献がなされている。プラトンは三つの問いを立てた: 適切に真偽が判断できるものは何か? 妥当な論証の前提と結論の結びつきの性質は? 定義の性質は? 第一の問いは『テアイテトス』で立てられたもので、そのなかでプラトンは思考・意見を対話・談話(ロゴス)と同一視している。第二の問いはプラトンのイデア論からの帰結である。イデアは普通の意味での実態ではないし、厳密には心の中の観念でもない。イデアはむしろ後の時代の哲学者が普遍と呼んだもの、つまり同じ名前の個々のものすべてに共有される抽象的な存在、に近い。『国家』および『ソピステス』において、主張の前提と結論の間に必要な結合は「形式」の間に必要な結合と同じであるとプラトンは主張した。第三の問いは定義に関するものである。プラトンの対話篇の多くで多くの重要な概念(正義、真理、善)の定義が探求されており、プラトンは、数学において定義が重要であるということから影響を受けたと思われる。あらゆる定義の基礎となるものがプラトンの言うイデア、つまり様々な個々のものにおいて現れる共通の本性である。そのため定義は人間の理解の究極的な対象を表しており、あらゆる妥当な推論の基礎でもある。この思想はアリストテレスに多大な影響を、特にアリストテレスのものの形相(ある種類の特定のものが「何であるか」)の観念に多大な影響を及ぼした。
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