ブックビルディング方式導入のメリット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/06 04:15 UTC 版)
「ブックビルディング」の記事における「ブックビルディング方式導入のメリット」の解説
日本郵政株の売出しを前に開催された財務省の財政制度等審議会において、次の指摘がなされている。 新規公開(以下「IPO」という。)、第二次以降の株式の募集又は売出し(以下「PO」という。)にかかわらず、ブックビルディング方式であれば、小口の需要が多い一般投資家からかなりの数量の購入を希望する機関投資家に至るまで幅広い投資家層に対して需要状況の調査を行うことができる。 1.に加えて、1.の受容状況の調査を受けた需要の積上げを実施し、その積上げ結果に基づいて募集又は売出しの価格を決定するなど、合理的な価格形成を行うことができる。 また、日本におけるIPOでブックビルディング方式の導入が検討され始めた1997年6月に、大蔵省の証券取引審議会ではブックビルディング方式のメリットとして、以下の事項が挙げられた。 発行市場のみならず公開後の流通市場までをも見据えた需要の積上げによる価格決定を可能とすることで、株価に対する投資家の信頼性がを高まる。また、長期投資を予定する機関投資家等によるIPO参入を促すことにより、市場の効率化・活性化も期待できる。 引受証券会社も、主体的に公開価格の決定に関与できるため、IPO後の流通市場におけるマーケットメイク機能をより積極的に発揮できる。さらに、このマーケットメイク機能は公開後の売買高の低下を妨げる効果を誘引し、流通市場の活性化が期待できる。 引受証券会社における引受機能がより一層発揮され、流通市場におけるマーケットメイク機能をより積極的に発揮できる。そしてその効果として、引受証券会社による多面的で自由な競争の促進と市場の効率化の誘引を期待できる。 それまで行われていた一部入札方式と比較すると手続きが簡素となり、IPOに要する日程の短縮と需要動向に応じた弾力的な発行(オーバーアロットメントの実施など)が可能となる。 ブックビルディング方式は欧米ですでに定着している方式であるため、グローバル・スタンダードに合致した価格決定方式による価格決定ができる。
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