フランスのパリ国立高等音楽・舞踊学校式学習
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「和声」の記事における「フランスのパリ国立高等音楽・舞踊学校式学習」の解説
発祥地のフランスのみならず、スペイン、イタリア、日本でも用いられるスタイルである。アンリ・ルベルによって高められた自然の諸原理に還元された和声論の学習にあたっては、基礎理論と和声の禁則及び原則を学び、課題の実習によって技術と古典音楽における音楽的感性を会得する。アンリ・ルベルはローマ数字や大文字アルファベットの完全な撤廃に進み、テオドール・デュボワもローマ数字による説明は少々ある程度で、教程のほとんどはアラビア数字のみで進む。 課題は、四声体の内1声部が与えられ、学習者が残り3声部を埋めて完成するもので、課題はソプラノもしくはバスの旋律が与えられる。ソプラノが与えられるものをソプラノ課題、バスが与えられるものをバス課題という。日本の音楽大学では、作曲学科あるいは作曲理論学科作曲専攻などの入学試験においてこれらの和声課題を出題している。大学や専攻によって、アンリ・シャランやポール・フォーシェの、いわゆる「フランス和声」と呼ばれるパリ国立高等音楽院のスタイルに準じた模倣形式やフガートのレヴェルまで要求されるものから、通奏低音奏法に準じたものまで出題難易度は大学によって様々である。パリ音楽院式記号で貫徹されたマルセル・ビッチュの「調性和声概要」が日本語版およびフランス語版のどちらも入手でき、現在も高い評価を保っている。フランスの音楽家は「ローマ数字による和声分析」や「機能和声理論」を忌避し、ジャン・フィリップ・ラモーの「自然の諸原理に還元された和声論」の後継者とみずからをみなしていた。21世紀に入っても、新しい教本が出版され続けている。
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