フランス、聖マルクールの霊威とは? わかりやすく解説

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フランス、聖マルクールの霊威

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/17 02:03 UTC 版)

王権神授説」の記事における「フランス、聖マルクールの霊威」の解説

フランスではカペー朝初期フィリップ1世がおそらく瘰癧さわりをおこなった考えられている。フィリップ4世時代にはフランス全土ばかりか、全西ヨーロッパ規模でこの「瘰癧さわり」は評判となっており、教皇領であるウルビーノペルージャからも治癒求め民衆がやって来ていることが確認されている。また中世通じて医学書瘰癧治療法としてこの「瘰癧さわり」が記述されていた。一方でルイ6世時代には王旗王冠カール大帝伝承むすびつけられ、カロリング朝フランス王権の間に観念的な連続性生じさせた。 フィリップ4世のころには、この瘰癧さわりが「クローヴィス洗礼由来するクローヴィスキリスト教改宗したメロヴィング朝君主であるが、中世フランスでは塗油されて聖別された」と誤って信じられていた。塗油された王の霊威よるものという観念あらわれている。そしてこの伝説はランス大聖堂クローヴィス以来の聖香油が聖瓶(サント・アンブール)に保管されており、王の即位式で王は聖香油塗油され聖別されるという観念つながった中世末期になると、この瘰癧さわりに別個の聖マルクールの瘰癧治療信仰混入し区別がつかなくなったマルク・ブロックによれば中世末の王権論者は、すでに王権聖性において「塗油」さえ問題しなくなっていたという。マルク・ブロック著者不明説話集果樹園夢想』から次のような事例を引く、「王が塗油されて聖別されるのは見せかけだけに過ぎず実際フランス王権固有の聖性王権治癒能力源泉である。なぜなら、ほかの塗油された国王たちは瘰癧治癒することができないのだから。ここには明らかにフランス王権優越性主張する国民的な感情見て取れる」。 ヴァロワ朝フランソワ1世時代には、王の瘰癧治癒能力がこの聖者由来するという観念一般化していた。フランス王はコルブニーにある聖マルクールの遺骨の前でミサをおこなう際に瘰癧さわりも施すようになり、それを目的として参集する病人年々増大したフランスの「瘰癧さわり」はブルボン朝ルイ16世の時代まで熱心に続けられていたが、フランス革命が起こると王は神授とともにこの慣習捨てることとなった。これ以降シャルル10世時代に「瘰癧さわり」の復活試みられているが、王自身否定的であったので1825年一回おこなわれたのみでこれが最後事例となった

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フランス、聖マルクールの霊威

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 04:57 UTC 版)

中世ヨーロッパにおける教会と国家」の記事における「フランス、聖マルクールの霊威」の解説

フランスではカペー朝初期フィリップ1世がおそらく瘰癧さわりをおこなった考えられている。フィリップ4世時代にはフランス全土ばかりか、全西ヨーロッパ規模でこの「瘰癧さわり」は評判となっており、教皇領であるウルビーノペルージャからも治癒求め民衆がやって来ていることが確認されている。また中世通じて医学書瘰癧治療法としてこの「瘰癧さわり」が記述されていた。一方でルイ6世時代には王旗王冠カール大帝伝承むすびつけられ、カロリング朝フランス王権の間に観念的な連続性生じさせた。 フィリップ4世のころには、この瘰癧さわりがクローヴィス洗礼由来する塗油された王の霊威よるものという観念あらわれている。そしてこの伝説はランス大聖堂クローヴィス以来の聖香油が聖瓶(サント・アンブール)に保管されており、王の即位式で王は聖香油塗油され聖別されるという観念つながった中世末期になると、この瘰癧さわりに別個の聖マルクールの瘰癧治療信仰混入し区別がつかなくなったヴァロワ朝フランソワ1世時代には、王の瘰癧治癒能力がこの聖者由来するという観念一般化していた。フランス王はコルブニーにある聖マルクールの遺骨の前でミサをおこなう際に瘰癧さわりも施すようになり、それを目的として参集する病人年々増大したフランスの「瘰癧さわり」はブルボン朝ルイ16世の時代まで熱心に続けられていたが、フランス革命が起こると王は神授とともにこの慣習捨てることとなった。これ以降シャルル10世時代に「瘰癧さわり」の復活試みられているが、王自身否定的であったので1825年一回おこなわれたのみでこれが最後事例となった

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