放射光施設
別名:放射光実験施設、フォトンファクトリー
英語:synchrotron radiation facility
加速器のシンクロトロン放射によって発生した、放射光と呼ばれる強い指向性と高い輝度を持つ電磁波を利用し、実験研究を行う施設。
放射光を用いることで、物質の構造や性質を原子レベルで分析することが可能である。このことから、放射光施設は「巨大な顕微鏡」に喩えられることもある。物理学や化学をはじめ、広範な自然科学分野における基礎研究に用いられているほか、新薬や新材料の開発などの応用研究にも利用されている。
放射光施設の最も古いタイプは、素粒子物理学研究用の加速器から漏出する放射光を利用した「寄生的」な施設であった。このタイプの施設は、「第一世代」の放射光施設と呼ばれている。その後、放射光の発生と利用を主目的とした「第二世代」の放射光施設が設けられた。2013年現在、最先端の放射光施設は、「挿入光源」と呼ばれる特殊な機器を備えた「第三世代」である。さらに、高干渉性X線を利用した「第四世代」が現在計画段階にある。
2013年現在、第三世代放射光施設のうち、「大型放射光施設」と呼ばれる大規模な施設は世界に3つ存在する。日本の兵庫県にある「SPring-8」、フランスにある「欧州シンクロトロン放射光研究所(ESRF)」、米国イリノイ州にある「先端放射光施設(APS)」がそれにあたる。
フォトン‐ファクトリー【photon factory】
フォトンファクトリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/16 16:32 UTC 版)
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フォトンファクトリー、英語: Photon Factory)は、高エネルギー加速器研究機構の放射光実験施設。PFリングおよびアドバンストリング(PF-AR)という2つの加速器を保有している。
PFリング
1982年に初めて放射光を発生して以来、1987年、1997年、2005年に3度の大規模な改造を行うなどした加速器。
2009年1月にトップアップモードと呼ばれる運転モードで連続入射による運用が開始した。トップアップモード運転により、ほぼ一定の強度のビームを供給することができるようになった(これまでは、入射後時間とともにビーム強度は減衰していた)。
- 電子ビームエネルギー 0.75~3GeV (通常は2.5GeVで運転)
- 周長 187m
- 偏向電磁石の数 28
- 挿入光源の数 10
- ビームラインの数 22(各ビームラインに1つから4つの実験ステーションが存在)
PF-AR
TRISTANの前段加速器を改造して作られた。
- 電子ビームエネルギー 6.5GeV
- 周長 377m
- ビームライン数 8
関連項目
外部リンク
- 高エネルギー加速器研究機構. “放射光科学研究施設 Photon Factory”. 2019年11月1日閲覧。
「フォトンファクトリー」の例文・使い方・用例・文例
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