フォドアの補題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/04/20 13:36 UTC 版)
数学、特に集合論においてフォドアの補題(あるいはフォドアの押し下げ補題)は以下の主張を指す。:
を非可算な正則基数、
を
の 定常集合、
を押し下げ関数(regressive function) (すなわち、全ての
,
に対し
)とする。このとき、ある
とある定常集合
があって、全ての
に対して
を満たす。
証明
としてよい。フォドアの補題が偽であるとする。 各
に対し、あるclub集合
があって
を満たす。
とする。club集合は対角線共通部分の下で閉じている。従って、
もまたclubであり、
が存在する。このとき、全ての
に対し
である。そして、
なる
は存在しない。よって、
。これは矛盾である。
この補題はハンガリー人集合論者Géza Fodorによって1956に初めて証明された。しばしば、"押し下げ補題(The Pressing Down Lemma)"などと呼ばれたりもする。
フォドアの補題はトマーシュ・イェフによる定常集合に関しても成り立ち、一般化された定常集合に関しても同様に成り立つ。
参考文献
- G. Fodor, Eine Bemerkung zur Theorie der regressiven Funktionen, Acta Sci. Math. Szeged, 17(1956), 139-142.
- Karel Hrbacek & Thomas Jech, Introduction to Set Theory, 3rd edition, Chapter 11, Section 3.
- Mark Howard, Applications of Fodor's Lemma to Vaught's Conjecture. Ann. Pure and Appl. Logic 42(1): 1-19 (1989).
- Simon Thomas, The Automorphism Tower Problem. PostScript file at [1]
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