パスワード誕生の歴史的背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/13 03:11 UTC 版)
「パスワード (コンピュータゲーム)」の記事における「パスワード誕生の歴史的背景」の解説
パスワードを最初に採用したのは1985年4月に発売されたファミリーコンピュータ版『チャンピオンシップロードランナー』である。同作では文字ではなく4種類のキャラクターアイコンを8つ並べてステージ進行状況を保存する方式であり、名称は「シークレット・コード」と呼ばれていた。アイコンによる類似の入力方式はナムコの『バベルの塔』などでも使われている。 パスワードという名称を最初に使用したのは1985年8月に発売されたアクションロールプレイングゲームの『ハイドライド』(T&E SOFT)MSX版のROMカセットからである。 当初、1985年3月に、カセットテープ(データレコーダ)用でMSX版の『ハイドライド』を発売していた。二次記憶装置から起動するソフトを動かすにはプログラム自体を読み込むことが出来るメインメモリが必要だが、MSXのメインメモリは最も少ない機種で8KB、低価格帯の機種では16KBしかなく、当時の他の機種のような容量を必要するものは直接メモリ空間にマッピングできるROMカートリッジなどの媒体で供給する必要があった。 しかし、ROMカートリッジを使うユーザーは必ずしもデータレコーダを持っているとは限らず、電源を落とした場合にもゲームを継続できる必要があり、「二次記憶装置などの記録を使わない不揮発な記録方法」の必要性から、状態を文字列に置き換えた形での記録方法が生まれた。 『ハイドライド』のパスワードは、0-9までの数字とA-Zまでのアルファベットと "." と "," のみを使い、最大11文字で現在のレベル・現在の体力の状態・現在までに集めたアイテム・現在の位置情報など収めていた。 これらの手法は、翌年にはエニックス(当時)のファミリーコンピュータ(ファミコン)用ソフト『ドラゴンクエスト』でも使われている。同作より前に発売されていたエニックスのファミコンソフト『ポートピア連続殺人事件』では、記録方法自体が用意されなかったが、『ドラゴンクエスト』では電源を入れた直後から「復活の呪文」という形でゲームの再開が可能となった。 前述のような記憶媒体が用意できず、何らかの状態を設定する必要があるゲームにおいてその後、多くのゲームがパスワードを採用したが、その内容の増加によって50文字を越える記録、入力を要求されるケースや、ロジックのバグによって特定の状態では正しいデータが生成されないものや、表示されるフォントが類似し、表示品質の高いとは言えないテレビ画面では視認性が低くミスが起きやすいものなども生まれた。
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