バスの便所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 18:18 UTC 版)
バス車内の便所は、導入時期が遅かったことから、当初より貯留式が採用されている。 日本においては、1964年に名神ハイウェイバスに使用される国鉄バス車両のうちの1台に設置されたのが始まりである。その翌年に増備された車両においても採用されたほか、1966年に山陰特急バスを運行する日本交通車両、1969年に東名ハイウェイバスを運行する国鉄バス車両(国鉄専用型式)において全面的に採用された。その後、長らく国鉄バスの東名・名神ハイウェイバスおよび「ドリーム号」と日本交通の「山陰特急バス」の車両のみの設置であったが、1978年に琉球バスが長距離路線車の車内に設置され(後に撤去)、1983年に夜行高速バス「ムーンライト号」の車内へ設置され、その後夜行高速バスでは標準的に設置されることになった。また、昼行高速バスにおいても、中・長距離路線で導入される例が増えている。また、一般道経由の路線バスでも旧・京都交通が、京都市内と舞鶴・天橋立方面を結ぶ長距離の快速バス用に前後2扉仕様の一般路線車(三菱ふそう・エアロスター)ながら便所付きとした車両を1990年代に導入していた事例がある。 一方でWILLER EXPRESSのように若年層を中心に便所付き車両を敬遠する利用者が多かった事情から導入に消極的な事業者もあったが、同社でも便所付き車両を求めるニーズの変化に伴い2020年現在では便所付き車両の導入を進めている。また、従来は車両中央部の床下もしくは車両最後部の片隅に設置された狭い便所が多かったが、2010年代以降面積を広めにして化粧や着替えなども出来る「パウダールーム」付き車両とした事業者もある。 観光バス(貸切バス)の場合は、途中休憩や下車観光などを行うことができるため便所なしが一般的だが、一部の高級観光バスや長距離運行が想定される車両(高速バスの続行便で起用される車両も含む)では便所付きとしており、一部では前述の広いパウダールームとした車両も導入されている。
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